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中国軍機が領空侵犯 日中議連、訪中前日の暴挙 総裁選候補への威嚇も 自衛隊の「対応能力や通信情報を収集か」山下裕貴氏

zakzak by夕刊フジ / 2024年8月27日 15時30分

小渕氏(夕刊フジ)

中国の習近平政権が、度を超えた軍事的威嚇を日本に仕掛けてきた。中国軍のY9情報収集機が26日午前、長崎県五島市の男女群島沖で日本領空を侵犯したのだ。航空自衛隊の戦闘機が緊急発進(スクランブル)して対応した。日中間には懸案事項が多々あり、超党派の日中友好議員連盟(会長・二階俊博元自民党幹事長)が27日から訪中する前日に暴挙は強行された。加えて、事実上の次期首相を決める自民党総裁選(9月12日告示、同27日投開票)の前哨戦という時期でもある。中国の揺さぶりに対し、総裁候補も、訪中団も、強い覚悟と姿勢が求められそうだ。

「極めて厳重に抗議するとともに、再発防止を強く求める」

外務省は26日、岡野正敬事務次官が、中国の施泳駐日臨時代理大使を同省に呼び、こう抗議したと発表した。中国側は「本国に報告する」と応じたという。

防衛省によると、Y9は26日午前11時29分ごろから31分ごろにかけての約2分間、日本領空を侵犯した。午前10時40分ごろ、男女群島の南東側で旋回を始め、一時領空侵犯をした後も領空の外で複数回旋回し、午後1時15分ごろ、中国大陸方面に向かった。

空自戦闘機は、新田原基地(宮崎県)のF15と、築城基地(福岡県)のF2がスクランブルし、警告などの対応をとった。自衛隊機による武器の使用や、その前段となる信号弾の射撃はなかった。

中国の航空機による日本領空周辺での活動は近年、常態化して脅威が高まっている。

領空侵犯の恐れがある外国機に対する航空自衛隊戦闘機による緊急発進(スクランブル)の回数は2023年度、669回に上るが、そのうち中国が479回で、全体の約72%を占めていた。

中国機の活動範囲は、沖縄県・尖閣諸島周辺のほか、最近は九州西方沖での無人機の飛行が目立っていた。過去2回の中国による領空侵犯はいずれも尖閣諸島の魚釣島周辺で、12年に中国国家海洋局の固定翼機が、17年には中国海警局の船舶から飛び立った小型無人機ドローンがそれぞれ領空侵犯した。

ところが今回、中国軍機が長崎沖の領空にまで侵入した。突然のエスカレートにはどんな狙いがあるのか。

元陸上自衛隊中部方面総監の山下裕貴氏は「日常的なパトロールや情報収集活動の過程で誤進入した可能性もあるが、意図的だとしたら領空侵犯時の自衛隊の対応能力や時間、基地との交信などの通信情報を収集しているのだろう。Y9は九州地方に直線的に飛んできており、延長線上には台湾有事の際に空自機が発進する新田原基地も位置している。台湾有事を念頭にリアルな地点で活動しているといえる。米国の大統領選では両候補とも台湾へのコミットメントの姿勢をみせており、同盟国である日本に対する圧力とも読み取れる」と話す。

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