エンタなう ビートルズを解雇されたドラマー、ピート・ベストが語る前日譚 映画「ザ・ビートルズの軌跡 リヴァプールから世界へ」

ビートルズのデビュー直前に解雇されたピート・ベスト（夕刊フジ）

ビートルズを解雇されたドラマーが、メジャーデビューの前日譚を解き明かしたドキュメンタリー映画「ザ・ビートルズの軌跡　リヴァプールから世界へ」（２００８年）が公開されている。

１９７０年に解散し、ジョン・レノン、ジョージ・ハリスン亡きあとも、ＡＩ技術を借りた新曲を発表するなど話題に事欠かない〝生きたレジェンド〟のザ・ビートルズ。本作は、初期のビートルズが出演していたリバプールのクラブ「ジャガランダ」のオーナーで、デビュー前のハンブルク巡業を手がけた興行主アラン・ウィリアムズの回想から始まる。

美大生だったジョンと当時のベーシスト、スチュアート・サトクリフに女子トイレの修繕を頼んだのが、「最初に払ったギャラ」と打ち明ける。ライブに送り込んだハンブルグには世界的な赤線地帯があり、歓楽街では生きの良いバンドが求められていて、腕を磨いたという。

また、メジャーデビュー直前に突然、解雇宣告という「爆弾を落とされた」と告白するのはドラマーのピート・ベスト。追い出されるまでを詳しく淡々と語る。

エルビス・プレスリーの入隊やチャック・ベリーの服役、バディ・ホリーの墜落死などが相次ぎ、〝ロックは死んだ〟とまでいわれたのが１９６０年代初頭。ビートルズが「ラヴ・ミー・ドゥ」で６２年にデビューするまでもメンバーの交代劇など紆余曲折があった。初期のナンバーが新鮮に聞こえた。