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ニッポン放送・飯田浩司のそこまで言うか! 小池知事の厳しさに「ビビっている」と…候補者への警備を揶揄する言動 都知事選で浮かび上がった問題点

zakzak by夕刊フジ / 2024年7月3日 6時30分

いよいよ、7日(日曜日)に投票日を迎える東京都知事選。過去最多の56人が立候補したこの選挙は、さまざまな論点を浮き彫りにしました。選挙ポスターをめぐる騒動や、ネット上での論戦、過去の経歴や国籍などに関する批判合戦などなど、1つ1つが国民的議論を経るべき重大な論点だったと思います。

そんななか、ネット上では、小池百合子知事の警備の厳しさを見て、「市民を信用していない証拠だ!」「何をビビっているのだ!」という主張を見かけました。そう主張するのは、まさに「言論の自由」ですが、中身に関しては問題だらけです。

昨今、選挙における「言論の自由」が脅かされる事件が相次ぎました。2022年7月の参院選では、奈良市の大和西大寺駅前で、演説中の安倍晋三元首相が銃撃により暗殺されました。翌年4月の衆院補選でも、和歌山市で岸田文雄首相に対する爆弾テロ事件が発生しました。

暴力によって選挙活動を妨害するのは、民主主義を支える「言論の自由」を踏みにじる許しがたい行為です。今年4月の衆院東京15区補選でも選挙妨害事件があり、どうやって候補者や言論の自由を守るのか、どういう警備が適切なのかが議論されました。

候補者としては、有権者と直接対話をして握手をしたい。警備サイドとしては、安全を考えて警備を強化したい。候補者側と警備側の協議などを経て、金属探知機を導入して安全なエリアをつくり、そこで候補者と有権者が接触することを認め、SPの見回りを強化することなどで対応するようになりました。

小池氏の関係先には「硫酸をかけて失明させる」といった脅迫文も届いていました。

こうした経緯を無視して、「小池氏はビビっている」「市民を信用していない」などと揶揄(やゆ)するのは大問題です。いかに選挙とはいえ、「言論の自由」と「安全」をバランスさせたギリギリの判断に対し、あまりに配慮に欠けた発言ではないでしょうか。

もちろん、元参院議員の蓮舫議員の選挙事務所に、「ナイフでめった刺しにする」などと殺害を予告するファクスが届いていたことも、許しがたい行為であることも言い添えておきます。

選挙においては、対立候補の言動を何から何まで批判するような言説がまかり通るところがあります。政治的主張の左右を問わず、こうした傾向が強まっている気がしてなりません。本来、政治とは利害が対立する多様な意見を調整しながら、落としどころを探っていくもののはず。

主義主張だけを常に主張して、一切妥協しないというのであれば、それはもはや政治ではなく活動です。政治を志すのであれば、この清濁併せのむ度量や、反対意見も認めるだけの度量が必要ではないかと思います。

こうしたなか、主張の異なる候補者同士が示し合わせて同じ場所で合同演説会を開くなど、党派を超えた新たな取り組みも生まれています。投票日まであと5日。建設的な選挙戦を期待します。

■飯田浩司(いいだ・こうじ) 1981年、神奈川県生まれ。2004年、横浜国立大学卒業後、ニッポン放送にアナウンサーとして入社。ニュース番組のパーソナリティーとして、政治・経済から国際問題まで取材する。現在、「飯田浩司のOK!Cozy up!」(月~金曜朝6―8時)を担当。趣味は野球観戦(阪神ファン)、鉄道・飛行機鑑賞、競馬、読書など。

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