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ニッポン放送・飯田浩司のそこまで言うか! 見出しであおるメディアに疑問 衆院選公示、各党の政策を深掘り「わかりやすさ」追求するあまり…他の大事な論点の切り捨ても

zakzak by夕刊フジ / 2024年10月16日 11時0分

飯田氏の新著(夕刊フジ)

いよいよ、きょう15日、第50回衆院選が公示、12日間の選挙戦に突入しました。つい1カ月前は、自民党と立憲民主党という与野党第1党のトップを決める総裁選と代表選の最中でした。最近はずっと、選挙の話ばかりが紙面を彩っています。

とはいえ、総裁・代表選と国政選挙では様相が異なります。われわれラジオやテレビという電波メディアでは、報じる際の気のつかい方にも、随分違いがあります。

放送法には「公平中立の原則」がうたわれ、公職選挙法では放送を用いての選挙活動を禁ずる項目があります。それぞれの候補について、利益になることも、不利益になることも放送に乗せてはいけません。一方で、各党の政策を吟味する分には問題ありません。

私の担当するニッポン放送の番組「OK! Cozy up!」(平日朝6時~)では、経済や外交・安全保障などのエキスパートをコメンテーターに、政策を深掘りしていこうと思っています。こうした動きは少数派なのかもしれません。

総裁・代表選の時には、「解雇規制の緩和」や「金融所得課税」「経済安全保障」「日銀の利上げと財政出動」「消費税の扱い」などなど、あれだけ個別の政策について議論していたにも関わらず、国政選挙ではほぼ「政治とカネ」一色です。

先週の衆院解散翌日(10日)の朝刊各紙一面の見出しを見ると、「石破新政権を問う」「裏金問題への対応焦点」(朝日新聞)、「『自民裏金』審判」(毎日新聞)などと、政治資金収支報告書への不記載問題こそ争点だと言わんばかり。

解散前の党首討論での石破茂首相の答弁ぶりなどを見ても、この話は自民党側が謝るしかなく、構図がわかりやすいのでこうなるのでしょう。ただ、「わかりやすさ」を追求するあまり、他の大事な論点が切り捨てられてしまうのではないでしょうか?

先週、私の新書『「わかりやすさ」を疑え』(SB新書)が出版されました。同書でも、見出しで感情をあおるようなメディアのあり方に疑問を投げかけました。「わかりやすさ」を求めるあまり、切り取ったり、端折ったり、単純化したりすることが、全体の理解を妨げると思うのです。

「政治とカネ」の話でも、「自民党はけしからん!」に終始するのではなく、「では、再発を防止するにはどうしたらいいのか?」「本来なら、ガバナンスや資金の入りと出の双方を透明化するような政党法をつくるべきなのではないか」「いや、政党のあり方に国家権力が介入するのはマズいのではないか」といった侃々諤々(かんかんがくがく)の議論が行われるべきでしょう。

もちろん、日々の放送を担当する私も身を律して番組をつくっていかなくてはいけません。特に来週は、「激論! どうなるニッポン!? 総選挙スペシャル」と題して、ダブルコメンテーターとともに毎日テーマを絞ってお送りします。ぜひお聴きください。

■飯田浩司(いいだ・こうじ) 1981年、神奈川県生まれ。2004年、横浜国立大学卒業後、ニッポン放送にアナウンサーとして入社。ニュース番組のパーソナリティーとして、政治・経済から国際問題まで取材する。現在、「飯田浩司のOK!Cozy up!」(月~金曜朝6―8時)を担当。趣味は野球観戦(阪神ファン)、鉄道・飛行機鑑賞、競馬、読書など。

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