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石破首相「仏頂面」炸裂の外交デビュー 中国の李首相や韓国の尹大統領と会談 持論封印の安全運転「及第点だが具体的行動が…」

zakzak by夕刊フジ / 2024年10月11日 11時43分

石破茂首相は10日、ラオスで開かれた東南アジア諸国連合(ASEAN)と日中韓による首脳会議開催に合わせ、中国の李強首相や韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領と個別に会談した。注目の初外遊では、懸案山積の中国に対して〝仏頂面〟も目立ったが、持論の「アジア版NATO(北大西洋条約機構)」構想を封印するなど「石破カラー」を消し、岸田文雄前政権の路線踏襲に徹した。

「東シナ海で日本の主権を侵害する活動、挑発的軍事活動が継続・強化されていることに強く反対する」「力や威圧による一方的な現状変更の試みを許容してはいけない」

ASEAN首脳会議で、石破首相は中国を念頭に、こう強調した。南シナ海での中国の覇権主義的行動への深い懸念も表明した。「北朝鮮の完全非核化への国際社会全体の力強い対応」「拉致問題解決への協力」も訴え、日本が防災や食料安全保障、感染症対策で貢献する考えも示した。

外交関係者は「政権発足間もなく、首相独自の外交方針は固まっていない。持論のアジア版NATOでも国内世論は固まっておらず、国際社会での提起は時期尚早のため、前例踏襲の〝安全運転〟に徹した」と説明する。

対中でも前例踏襲で一貫した。李強首相との会談で石破首相は「両国は戦略的互恵関係を包括的に推進し、安定的関係を構築する大きな方向性を共有している」としたうえで、深圳の日本人学校に通う10歳の男子児童が刺殺された事件について真相解明や再発防止を求めた。日本産水産物の早期の輸入再開も要請した。領海侵入や領空侵犯などにも深刻な懸念を表明した。

ただ、同様の姿勢を示した岸田政権に対し、中国は軍事活動を活発化させ、日本のEEZ(排他的経済水域)や大陸棚上の海域に無断設置した海洋ブイの撤去に応じないなど、「日本をあしらう姿勢に終始した」(外交関係者)。

日韓首脳会談でも「関係発展を共に図りたい」と秋波を送る尹氏に、首相は「尹氏と岸田前首相が大幅に改善させた日韓関係を引き継ぎ発展させたい」と友好を演出した。

石破外交をどう見るのか。中国事情に詳しい評論家の石平氏は「中国の覇権主義的な軍事活動や男児刺殺事件に強い懸念を示し、クギを刺したのは、対中外交の船出としては及第点だろう。ただ、中国に対しては『行動』が不可欠だ。領海侵入や領空侵犯に具体的にどう対処するのか。日本の海外渡航者や滞在者に向けた外務省の危険情報でも、中国はいまだ『レベルゼロ』だ。中国への誤ったシグナルを具体的な行動で正すのが石破首相の真の仕事になる」と強調した。

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