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仲新城誠 沖縄が危ない! 八重山周辺で中国軍の動き活発化 米大統領選の体たらくにほくそ笑む習近平氏 米依存は限界「自国は自国で守る」原点回帰を

zakzak by夕刊フジ / 2024年10月9日 6時30分

沖縄県周辺で中国軍の動きが活発化している。中国海軍の空母「遼寧」は9月、尖閣諸島(石垣市)北西の海域から南進し、日本最西端の与那国島(与那国町)と西表島(竹富町)間の接続水域を初めて航行した。空母は戦闘機を搭載して他国を攻撃する艦船であり、周辺海域の航行は沖縄県民、とりわけ台湾に近い八重山諸島の住民に対する露骨な威嚇だ。

8月には、中国軍の情報収集機が長崎県の男女群島沖で中国軍機として初めて領空侵犯した。同じタイプの情報収集機は直前に、沖縄本島と宮古島間でも飛行が確認されている。

尖閣諸島周辺では中国艦船が常駐し、領海侵入を常態化させており、日本漁船の操業に対する妨害行為も続いている。

一連の行動を見ると、中国には将来的な「台湾侵攻」をにらみ、日本を牽制(けんせい)する意図があるのは間違いない。

そして、中国軍の活動範囲は台湾にとどまらず、現時点で既に、尖閣諸島をはじめとする八重山を明らかに含んでいる。八重山では今、「有事」を見据えた住民の避難計画策定やシェルター整備の動きが本格化しており、地元の不安は高まる一方だ。

中国がこのタイミングで挑発行為を激化させているのはなぜか。

同時期の自民党総裁選もさることながら、海の向こうの米大統領選も無関係ではないだろう。同盟国のピンチに際し、民主党候補のカマラ・ハリス副大統領、共和党候補のドナルド・トランプ前大統領がどう反応するか、出方をうかがっていたのではないか。

だが、両候補の討論会での発言や、日米の報道を見る限り、中国の対日圧力に対し、2人が何らかの対中発信をした形跡は全くない。

そもそも、選挙戦が低レベルな罵倒合戦の様相だ。双方とも中国にはたまに言及する程度で、それも経済や貿易の競争に関する文脈に限られる。2人が台湾、南シナ海、さらには沖縄周辺で進む深刻な事態を重大視しているようには見えない。

次期大統領がトランプ氏なら、沖縄や台湾を犠牲にして、中国と予想外の「ディール(取引)」に出る恐れなしとは言えない。

急ごしらえの候補であるハリス氏は明らかに能力不足で、ジョー・バイデン政権を分析すれば行動パターンは楽に読める。中国の習近平国家主席や、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領といった百戦錬磨の独裁者なら、手玉に取るのにさして苦労はしないだろう。

大統領候補たちの体たらくを見て習氏は「台湾や尖閣で、ひと騒ぎ起こすチャンスが来た」と、ほくそ笑んだのではないか。誰が次期リーダーになっても、米国の混乱や沖縄の危機が深まるのは必至だ。

米国に全面依存する安全保障は、もう限界になりつつある。日本は「自国は自国で守る」という原点に立ち返り、米大統領がどんな人物であれ、沖縄に指一つ触れさせない強固な防衛体制を築くべきだ。

■仲新城誠(なかしんじょう・まこと) 1973年、沖縄県石垣市生まれ。琉球大学卒業後、99年に地方紙「八重山日報社」に入社。2010年、同社編集長に就任。現在、同社編集主幹。同県のメディアが、イデオロギー色の強い報道を続けるなか、現場主義の中立的な取材・報道を心がけている。著書に『「軍神」を忘れた沖縄』(閣文社)、『翁長知事と沖縄メディア 「反日・親中」タッグの暴走』(産経新聞出版)、『偏向の沖縄で「第三の新聞」を発行する』(同)など。

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