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森永康平の経済闘論 金融教育は増やすだけでなく「お金の守り方」も重要だ 投資詐欺、被害総額は506億超に 被害者が広告掲載のメタ社を提訴も

zakzak by夕刊フジ / 2024年10月17日 6時30分

今年の投資関連の話題といえば「新NISA」が筆頭にあがるが、それに次ぐのが「投資詐欺」だろう。警察庁の発表によると、2024年1~6月における投資詐欺の被害総額は506億3000万円に上るという。23年1~6月の被害総額と比較して7倍にも膨れ上がっていることを考えれば、いかに今年の前半は投資詐欺が猛威を振るっていたかが分かるだろう。ちなみに、1件あたりの平均被害額は1418万円で、50~70代が被害全体の70・9%を占めている。

そんな投資詐欺について、新たな動きがあった。投資詐欺の被害にあった4人がフェイスブックを運営しているメタの日本法人と米国本社に対して約2300万円の損害賠償を求めて提訴した。神戸地裁で開かれた口頭弁論では、メタの本社側は「日本の法律上、投資広告の真実性を確認する義務はなく、被害との因果関係もない」として訴えを退けるよう求める答弁書を提出した。

写真を無断使用されて、間接的にこの投資詐欺の被害に遭っていた筆者からすると、メタの主張には納得がいかないが、メタの言い分を全く理解できないわけではない。たしかに、グロテスクな写真が用いられた広告やアダルト関連の広告は自動検知をしてはじくことは可能だが、投資詐欺の広告がホンモノかどうかを見極めるのは難しい。厳密に確認をしようとすれば、筆者の写真が載っている広告全てについて、広告掲載の申請がメタに行くたびに、その都度筆者のもとにホンモノかどうかの確認が来るようになるだろうから、それはそれで困ってしまう。

裁判がどのような決着を迎えるかは分からないが、おそらく投資詐欺の広告が完全になくなることはないだろう。そして、仮にSNS上の広告を窓口にした投資詐欺がなくなったとしても、すぐに違うタイプの投資詐欺が誕生するはずだ。現にSNS上の投資詐欺に関するニュースが増えたことで、最近は筆者に寄せられるSNS上の投資詐欺に関する相談件数は明らかに減少しているが、別の手口による被害報告は増えつつある。

投資詐欺から身を守るためには自身の金融リテラシーを高めるしかない。日本でもようやく金融教育の機運が高まってきたが、お金の増やし方だけではなく、お金の守り方についても教えていってほしいものだ。

森永康平(もりなが こうへい) 経済アナリスト。1985年生まれ、運用会社や証券会社で日本の中小型株のアナリストや新興国市場のストラテジストを担当。金融教育ベンチャーのマネネを創業し、CEOを務める。アマチュアで格闘技の試合にも出場している。著書に父、森永卓郎氏との共著『親子ゼニ問答』(角川新書)など。

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