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元文春エース記者 竜太郎が見た! ドン・ファン元妻に無罪判決 検察が控訴するかが今後の焦点に 状況証拠積み重ね「よほどの隠し玉」とも〝疑わしきは罰せず〟か

zakzak by夕刊フジ / 2024年12月17日 6時30分

野崎幸助さんの自宅を訪れた元妻の須藤早貴さん=平成30年6月、和歌山県田辺市(夕刊フジ)

「紀州のドン・ファン」と呼ばれた会社社長、野崎幸助さん(当時77)が自宅で急死した事件で、殺人などの罪に問われていた元妻の須藤早貴被告(28)に対し12日、和歌山地裁は無罪判決を言い渡した。

「無罪判決には仰天しました。これほど世間から注目を浴びている事件。須藤被告のこれまでの言動や人間性について首をかしげることも多く、有罪になるのではと思っていましたが、やはり〝疑わしきは罰せず〟という原則に忠実に従ったということ。しかし、いまだに不可解で、もやもやした気持ちが残ります」(報道番組プロデューサー)

事件は2018年5月。「美女4000人に30億円を貢いだ」と豪語する貸金業などを営む野崎氏が急性覚醒剤中毒で死亡したことで、ワイドショーや週刊誌がこぞって報じた。当日、現場にいたのは野崎氏と須藤被告、家政婦の3人のみで、「密室の怪死事件」としてミステリー的な展開となり、多くの報道陣があのピンクの壁で囲まれた豪邸に詰めかけた。当然、残された被告と家政婦に疑惑の目が向けられ、国民が各々まるで探偵になったかのようにこの事件を推理した。

「野崎氏の死から3年経過し、ようやく須藤被告が逮捕されましたが、決定的な証拠がないまま状況証拠の積み重ねのみで行われており、裁判が維持できるのかと心配の声があがり、和歌山カレー事件のように難航するとも言われました。一方で検察側はよほどの隠し玉を持っているのではという意見もあった」(同前)

今年9月の初公判から須藤被告は「私は社長を殺していないし、覚醒剤を摂取させていません」と無罪を主張。裁判は22回の審理が行われ、野崎氏の会社従業員や元妻、その他の愛人、覚醒剤の売人など合計28人の証人尋問が行われた。裁判で「財産目当ての犯行」と追及する検察に対し、須藤被告は「遺産目当てと言われていることを隠していない」と反論。野崎氏の性生活に関するあからさまな内容も証言に出た。

「裁判では須藤被告が覚醒剤を摂取させて殺害したかどうかが争点。野崎氏が覚醒剤を誤って過剰摂取した可能性はないとは言い切れず、裁判長は『須藤被告が殺害したとするには合理的な疑いが残る』と判断しました」(社会部記者)

上下パンツスーツの須藤被告は無罪を言い渡されたとき、落ち着いた様子ではあったが、涙を流していたという。

しかし彼女は別件の詐欺事件で有罪判決を受けており、これですぐ釈放とはならない。また今後、検察が控訴するかどうかが気になる焦点となる。

■中村竜太郎(なかむら・りゅうたろう) ジャーナリスト。1964年1月19日生まれ。大学卒業後、会社員を経て、95年から文藝春秋「週刊文春」編集部で勤務。NHKプロデューサーの巨額横領事件やASKAの薬物疑惑など数多くのスクープを飛ばし、「編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム賞」の大賞受賞は3回と歴代最多。2014年末に独立。16年に著書「スクープ! 週刊文春エース記者の取材メモ」(文藝春秋)を出版。現在、「news イット!」(フジテレビ系)の金曜コメンテーターとして出演中。

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