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日本の解き方 高橋洋一氏が直言、自民党総裁選の最大争点 任期中に「台湾有事」も予想〝核抑止〟についての考えも問うべきだ

zakzak by夕刊フジ / 2024年9月12日 6時30分

「積極財政」を打ち出している高市氏(夕刊フジ)

自民党総裁選(12日告示、27日投開票)をめぐり、立候補を予定する議員が相次いで政策を発表している。石破茂元幹事長(67)は「防災省設置」や「アジア版NATO創設」を表明した。小泉進次郎元環境相(43)は「解雇規制の緩和」「選択的夫婦別姓の導入」など改革路線を強調する。高市早苗経済安保相(63)は「『危機管理投資』と『成長投資』で強い経済を目指す」と表明している。選挙戦の争点はどこになるのか。元内閣参事官で嘉悦大教授の高橋洋一氏が「改革路線」「財務省との距離」「有事対応」などの観点から読み解く。

各種世論調査では、小泉氏の人気が高い。小泉氏は6日の記者会見で、①政治改革②規制改革③選択肢の拡大-を1年以内に実施すると表明した。

政治改革では、党から議員に支給される政策活動費を廃止するほか、国会議員に支給される「調査研究広報滞在費」(旧文書通信交通滞在費)の使い道を公開し、残った金額の国庫への返納を義務付けるとした。

規制改革では、解雇規制の見直しやライドシェアの完全解禁を掲げた。

「全パート厚生年金加入」が議論の的に

選択肢の拡大では、選択的夫婦別姓制度の導入のほか、「年収の壁」を破るために、全てのパートの厚生年金加入などをぶち上げた。

小泉氏の人気が高いこともあり、これらについては他の候補者も意識するので、主要な争点になるだろう。特に、解雇規制の見直しと選択的夫婦別姓、全パートの厚生年金加入については異論も多く、議論を呼びそうだ。

なお、全パートの厚生年金加入は、財務省と厚労省がこれまで温めてきた〝大玉〟であるが、労働者と企業の双方に負担を強いるものだ。

内政では、「財務省との距離感」も争点になるだろう。つまり、「積極財政」か「緊縮財政」かだ。

高市氏は積極財政を以前から表明しているが、他の候補はどうだろうか。

小林鷹之前経済安保相(49)と加藤勝信元官房長官(68)はともに財務省出身だが、緊縮財政を主張するのは選挙では分が悪い。積極財政まではいかないが、緊縮財政でもない「消極財政」のスタンスかもしれない。

なお、筆者は財政に関する立ち位置について、財政再建を主張する「令和臨調(令和国民会議)」のメンバーかどうかを一つの参考にしている。小林氏はメンバーであるが、加藤氏はメンバーに入っていない。

財務省との距離は、今の財政状況について聞いてみれば分かる。グロス(全体)の債務残高をみて「先進7カ国(G7)中最悪」と答えれば財務省とベッタリだが、ネット(実質)の債務残高で「G7中2位で良好」と答えれば、一線を画している。

そうした意味では、茂木敏充幹事長(68)が「増税ゼロ」を掲げ、古い財務省の発想を転換するというのは興味深い。

外政では、中国が日本の排他的経済水域(EEZ)に勝手に設置したブイについて、高市氏は「撤去する」と明言した。「親中派」といわれた林芳正官房長官(63)は「撤去を含めて検討する」とした。

8月26日には、中国軍の情報収集機が、長崎県五島市の男女群島沖の日本の領空を侵犯した。次の自民党総裁の任期の3年間で、「台湾有事」が起こることは相応の確率で予想される。

「台湾有事は日本有事」だが、総裁は首相となるため、自衛隊の最高指揮官になる。対外的に毅然(きぜん)とした行動がとれるかどうか、国を守れるかどうかは総裁選において当然争点となってしかるべきだ。

その関連で、日米のみならず「核抑止」についてどう考えるか、なども憲法改正とともにぜひ聞きたい争点だ。(高橋洋一)

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