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森永康平の経済闘論 新NISA投資家に試練の時 やはり危険?ギャンブル?「つみたて」決めたのなら機械的に続けるべき 「投資哲学」再確認し距離置く戦略も

zakzak by夕刊フジ / 2024年8月15日 6時30分

今年から新NISA(少額投資非課税制度)が開始したことを契機に投資を始めた個人投資家に試練の時が訪れている。

金融庁と日本証券業協会が公表したNISA口座の利用状況調査によれば、昨年末から3カ月で210万口座増え、2323万口座となった。おそらくその後の3カ月(4~6月)でさらに増えていると考えられ、実際に筆者の周りでも今年から投資を始めたという人は多い。

7月中旬までは日本の株式市場は堅調であり、投資はやってみると意外と簡単だな、と感じていた個人投資家も多かっただろう。

しかし、試練は急に訪れる。7月11日に日経平均株価が初めて4万2000円を突破し史上最高値を更新したかと思いきや、8月に入ると5日まで3営業日連続で下落した。その際の下落幅は合計で7600円余りとなり、この大幅な下落をブラックマンデーやリーマン・ショック、コロナ・ショックなどと比較する記事が散見された。SNS上では「やはり投資は危険だ」「投資はギャンブルだ」といったコメントが投稿されている。

QUICK資産運用研究所の推計によると、国内公募の追加型株式投資信託の資金流出入において、新NISA開始以降、初めて1000億円以上のまとまった資金流出が確認されたという。純資産総額が大きい主要ファンドを見てみると、残高上位25本全てが資金流出となっており、なかでも新NISAで多くの個人投資家が買っていたeMAXIS Slimシリーズの「米国株式(S&P500)」からは226億円、「全世界株式(オールカントリー)」からは78億円が流出している。

投資経験の浅い個人投資家が今回の歴史的な株式市場の急落で狼狽(ろうばい)売りしてしまうのも仕方ないように思えるが、そもそも「つみたて投資」をすると決めたのであれば、こういう局面でこそ相場の変動は一切気にせずに淡々と機械的に投資を続けるべきなのだ。

投資を始めてから株価指数がずっと右肩上がりであれば、精神的にはラクかもしれないが、それは平均買付単価が上がり続けることを意味しており、どこかのタイミングで下落局面を迎えると損失が生じやすくなる。一方で、投資を開始してから今回のように下落局面を迎えた際に機械的につみたて投資を続けていると、平均買付単価は下がっていき、その後の上昇局面では利益が出やすくなるのだ。

とはいえ、これだけ株価が激しく動くと気になるのも投資家の性だ。そんな時は甲子園の高校野球でも見て相場から距離を置くのも1つの戦略になるだろう。

■森永康平(もりなが こうへい) 経済アナリスト。1985年生まれ、運用会社や証券会社で日本の中小型株のアナリストや新興国市場のストラテジストを担当。金融教育ベンチャーのマネネを創業し、CEOを務める。アマチュアで格闘技の試合にも出場している。著書に父、森永卓郎氏との共著『親子ゼニ問答』(角川新書)など。

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