1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ
  4. ライフ総合

徹底解説・第6弾 男性更年期 患者はどうやって克服したか 男性更年期が進行した状態で始めても…続かないジム通い 効果的なトレーニングにはメンズクリニックなどの受診が欠かせない

zakzak by夕刊フジ / 2024年9月14日 10時0分

uMIST東京代官山斎藤恵介院長に聞く

男性ホルモンのテストステロンが低下することで起こる男性更年期障害(LOH症候群)は、さまざまな症状を引き起こす。テストステロンは運動習慣で分泌量を増やせるが、運動をしても男性更年期障害を克服できないことがある。

たとえば、Gさんの場合。60代に突入してからよく眠れなくなり、全身の倦怠感などで体調が優れなかった。ネット検索で自覚症状を調べると、男性更年期障害の可能性があることがわかった。

ネットの記事では、テストステロンを増やすには運動習慣が役立つと書かれていた。Gさんはスポーツジムに入会し、週2回は通うようにしたが、バーベルを持ち上げるのも、脚の筋肉を鍛えるレッグプレスもしんどい。1カ月間は頑張って通ったが、筋肉はつかず、体調もすぐれず、通うのをやめてしまった。このようなケースは珍しい話ではないという。

「テストステロン値が低い状態で運動をしても筋肉はつきにくく、すぐに疲れてしまうので長く続きません。男性更年期障害が進行した状態で運動を始めても、ストレスや疲労感が増し、さらにテストステロン値を下げてしまうことがあるので注意しましょう」

こう話すのは、「泌尿器・日帰り手術クリニック uMIST東京代官山―aging care plus―」(東京都渋谷区)の斎藤恵介院長。順天堂大学医学部附属病院にも所属し、米国で開発されたPNF療法(血管促通療法)を基に独自のトレーニングを開発して成果を上げている。

「ご自身の状態に合わせた生活習慣の見直しが大切です。トレーニングをするなら、テストステロンの分泌を促し、筋肉の材料にもなるプロテイン(タンパク質)30~50グラムの少量を、1日3~5回に小分けにしてとりつつ、身体活動量を上げていくことが重要になります」

男性更年期障害が疑われる症状が起きたら、自分の正確な状態を把握するためにメンズクリニックや男性更年期障害外来を受診するのが基本だ。その上で、効果的なトレーニングを行うことが克服に欠かせないという。

しかし、メンズクリニックへ行くことを躊躇(ちゅうちょ)する人や、そもそもメンズクリニックの存在を知らない人もいる。女性の場合は、閉経に伴う更年期障害の認知度は高い。しかし、男性ホルモンの低下は加齢以外にストレスや生活習慣が関わる。年齢を問わず起こりえるため、「まさか自分が…」と考える男性は少なくない。

「男性更年期障害は、EDなどの性機能障害だけでなく、夜間多尿などの排尿障害、肥満やメタボに伴う心筋梗塞や脳卒中などとの関連が報告されています。また、認知症や骨格筋の低下から活動量が低下するサルコペニアと関係しているとも指摘されています。改善が必要です」

ストレスによる一過性のテストステロン値低下は、ストレス解消で改善できる。しかし、生活習慣と加齢で起こる低下は、放置していると他の病気を併発する恐れがあるのだ。メンズクリニックを活用して、自分の状態に合った方法で早めに対処しよう。 (取材・安達純子) =おわり

■斎藤恵介(さいとう・けいすけ) 「泌尿器・日帰り手術クリニック uMIST東京代官山―aging care plus―」(東京都渋谷区)院長、順天堂大学医学部附属順天堂医院泌尿器科講師。静岡県立がんセンター、帝京大学附属病院泌尿器科講師、ハーバード大学留学、順天堂大学医学部附属順天堂医院泌尿器科准教授などを経て2023年7月から現職。著書に『頻尿・尿もれがみるみる改善する食べ方大全』(文響社)。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください