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年金世代・予備軍「シニアの居場所」 老後のお金「減らない財布」を手に入れろ!年金繰り下げ受給のススメ 「メリットとデメリットをよく検討を」専門家

zakzak by夕刊フジ / 2024年10月10日 11時0分

(夕刊フジ)

年金世代予備軍の人は、年金受給開始時期が近づいてくると「いつから年金を受け取るか?」という選択を迫られることになります。

ご存じの通り、2022年4月に公的年金の制度が改正され、受け取れる年齢の幅が拡大しました。最高75歳まで受給時期を繰り下げることが可能になったのです。

公益社団法人生命保険文化センターの調査「公的年金の繰上げ・繰下げ受給の状況」(2021年度末時点)によると、公的年金を繰り上げ受給している人は、男性13・4万人、女性2・2万人となっています。また、繰り下げ受給を選択している人は、男性18・8万人、女性13・4万人です(法改正前の数字)。

年金を繰り下げて受給することについては、メリット、デメリット、いろいろな意見があります。

そんななか、この繰り下げ受給をぜひ活用すべきだという書籍に出合いました。『投資ゼロで老後資金をつくる』(長尾義弘著、青春出版社)です。

世間には、老後資金を貯めることが大切とか、老後資金をどう運用するかといった情報があふれていますが、同書は「老後のお金でもっとも重要なことは『収支のバランス』」としています。そして、「この『収支のバランス』を取るためには『減らない財布』を手に入れることがポイント」と書かれています。

「減らない財布」とは何と魅力的な財布でしょうか。ぜひ手に入れたいものですが、同書では「『減らない財布』のベースになるのはじつは公的年金」とあります。

筆者が読んだ印象をもとに、大ざっぱに紹介すると、公的年金を繰り下げ受給することによって75歳から受け取れる金額を増やすことが「減らない財布」につながるようです。

同書では、受給を1カ月遅らせることで0・7%の加算になると説明します。「65歳から受け取るところを66歳まで1年遅らせると、8・4%の加算になります。これを70歳まで遅らせると42%の加算、75歳まで遅らせると84%の加算」になるといいます。

パーセンテージではピンとこないかもしれませんが、65歳での年金額が月16万円の場合、75歳まで繰り下げると月29万4000円になるという試算が提示されています。2カ月に一度、60万円弱の年金が振り込まれるとすれば、多くの人は生活に余裕ができるのではないでしょうか。

この試算は現実的なのでしょうか。日本FP協会認定CFPの松田聡子さんに聞くと、「計算上はそうなります。ただし、年金収入が増えることによって、税金や医療費負担額が増えることもありますので、メリットとデメリットをよく検討したほうがいいと思います」との答えでした。

松田さんは「もちろん、年金繰り下げはぜひ検討すべき手段です」と続けましたが、無年金の時期があまり長く続くのも心配です。年金支給時期が近づいてきたら、FPなどの専門家に相談するのもよいかもしれません。

■藤木俊明 副業評論家。自分のペースで働き、適正な報酬と社会とのつながりを得ることで心身の健康を目指す「複業」を推奨。著書に『複業のはじめ方』(同文舘出版)など。

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