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プーチン「強行上陸」懸念の北方領土で暴挙 色丹島で射撃訓練を通告、日本は挑発行為に抗議 先祖弔う時期に演習突き付け、元島民ら怒りの声

zakzak by夕刊フジ / 2024年9月5日 15時9分

ロシアが不法占拠する北方領土の色丹島周辺海域で「軍事演習を行う」と通告してきたため、日本政府が抗議したことが分かった。北方領土は日本固有の領土であり、この時期、周辺海域では元島民らの洋上慰霊が行われている。ロシアは対日戦勝記念日とする3日、北方領土の国後島や択捉島、色丹島で軍事パレードも行った。ウラジーミル・プーチン大統領が北方領土に強行上陸する可能性が警戒されるなか、元島民から怒りの声があがった。

「軍備強化受け入れられない」

「軍事挑発を重ねる現状は異常だ。プーチン政権は即刻、外交を正常化させるべきだ」

1945年夏の終戦時、日ソ中立条約を一方的に破って侵攻してきたソ連軍に色丹島で対峙(たいじ)し、抑留も経験した得能(とくのう)宏さん(90)は、夕刊フジの取材にこう語った。

ロシアは2日、色丹島の北方で3~21日、射撃訓練を行うと通告してきた。

日本政府は2日、外交ルートで「北方四島におけるロシアによる軍備強化の動きはわが国の立場と相いれず、受け入れられない」と抗議した。

木原稔防衛相も3日、ロシアと中国を念頭に、「最近のわが国周辺における軍事活動の状況を極めて重大かつ深刻に捉えている」と強い警戒感を示した。

射撃訓練の日程は、自民党総裁選(12日告示、27日投開票)とかなり重なる。総裁候補に揺さぶりをかける意図を感じる。

加えて、北方領土の元島民らが先祖を弔う時期でもある。2日には自見英子沖縄北方担当相も参加した慰霊団が、歯舞群島周辺で洋上慰霊を行った。先祖の墓参りの代替措置であり、今後も同様の式典が予定されているが、ロシアは慰霊にかぶせて、演習宣告を突き付けてきた。

日本政府は北方領土返還に向けた平和条約交渉の前段として、墓参やビザなし交流の再開を求めてきた。

これに対し、ロシア軍は日本周辺に航空機や艦艇を頻繁に出動させ、領空侵犯や領海侵入を辞さない軍事活動を活発化している。不定期の大規模演習「ボストーク」では、北方領土に1万人規模の兵員、多数の航空機・艦艇を動員し、「他国からの防衛」を想定した訓練も行っている。

防衛関係者は「北方領土へのミサイルシステム配備も加速しており、日米同盟を念頭に島の『要塞化』を急いでいる可能性がある」とみる。

北方領土の早期返還を訴えてきた元島民の平均年齢は、6月末時点で88・7歳に達し、焦りは募っている。

前出の得能さんは「草の根でロシア人の住民と信頼関係を築いてきたが断絶状態だ。肝心の日本政府も、領土返還への『気迫』が感じられない。元島民は次々と亡くなっており、猶予はない」と怒りをにじませた。

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