旧ジャニ報道でNHK局内の温度差くっきり 紅白に戻したい制作局、性加害報道に取り組んだ報道局…〝着地点〟の番組が炎上
zakzak by夕刊フジ / 2024年10月24日 6時31分
約1年にわたる起用停止をやめて、旧ジャニーズ事務所のタレントの出演再開を決めたNHK。そこには紅白歌合戦へのオファーという思惑も透けてみえるが、一方で遺恨を残しかねない報道をするなど、局内の温度差が著しいようだ。
NHKの稲葉延雄会長は16日、旧ジャニーズ事務所(現スマイルアップ)からマネジメントを引き継いだスタートエンターテイメント社の所属タレントを起用再開する方針を発表した。
稲葉会長はこのとき、「被害者への補償と再発防止の取り組みに加え、経営分離も着実に進んでいることが確認できた」と指摘している。
一方で、20日夜に放送したNHKスペシャル「ジャニー喜多川〝アイドル帝国〟の実像」が、その内容で炎上するという状況になっている。
「いわば性加害報道の決算と、NHK自身の検証という意味合いの強い番組でしたが、後半に流れた初代『ジャニーズ』の中谷良さん(故人)の姉と、スマイル社の補償本部本部長との電話のやりとりが物議を醸したのです」とスポーツ紙記者。
その内容は、中谷さんは生前、いわゆる暴露本「ジャニーズの逆襲」を出版していたが、電話で応対する本部長は、そうしたことを理由に「本を書かれて(旧ジャニーズ事務所が)痛めつけられたのは間違いない」と、自分たちも被害者と言わんばかりの発言をしているのだ。
さらに「(加害者も被害者も故人のため)誰が何を謝るんだというのが分からない」といった発言もあったため、スマイル社に対する猛批判がネット上で上がっているのだ。
「番組の最後は、NHKが自省を込めたコメントで締めくくっていますが、これは出演再開を正当化させるための口実のようにも受け取れます。しかし一方で、スマイル社にとっては再び批判を浴びる内容になっているわけですから、NHKとの間でややこしい遺恨が残ってもおかしくない。紅白出場にこだわる必要はないという声もスタート社側にはあるようですし」と先のスポーツ紙記者は指摘する。
そしてこう続ける。
「NHK内には2つの組織があるようなもので、旧ジャニ勢を紅白に戻したいと考えている制作局と、性加害報道に取り組んできた報道局との間で、かなりの〝温度差〟があるということです。その着地点があのNHKスペシャルですが、事態はさらに複雑になったかもしれません」
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