トランプ次期政権に暗雲〝米国バブル崩壊〟の大惨事 インフレ・高金利に懸念 日本は激震に注意、長期的に惨劇がトレンドの転換点に
zakzak by夕刊フジ / 2024年12月23日 6時30分
ドナルド・トランプ次期米大統領は、来年1月20日の正式就任を前に米国内外で活発に動いている。だが、国際投資アナリストの大原浩氏は、トランプ次期政権の前に「暗雲が立ち込めている」と指摘する。大原氏は寄稿で、米国のバブルが崩壊した場合、「とてつもない惨劇になり得る」と警鐘を鳴らした。
◇
12月17日、全米50州と首都ワシントンで計538人の選挙人が投票を行い、トランプ氏が「正式に」大統領に当選した。
形式的なものだが、選挙戦終盤で暗殺未遂が繰り返されたトランプ氏の場合、大きな意味を持つ。大統領の後継順位は、副大統領、下院議長の順番であり、何が起きてもトランプ路線が継続されるためだ。
「悪夢のジョー・バイデン民主党政権」で混乱した政府や経済の立て直しを急ぐトランプ政権だが、直近の問題として懸念されるのが「バブル崩壊」だ。これは筆者だけではなく、「投資の神様」と呼ばれるウォーレン・バフェット氏も現金準備を積み上げるなどして警戒している形だ。
米連邦準備制度理事会(FRB)は17、18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で、政策金利を0.25%引き下げた。同時に2025年の利下げをより慎重に進める「タカ派」姿勢を鮮明にしたことで、ダウ工業株30種平均は前日比1123ドル(2.6%)安になり、50年ぶりの10営業日続落となった。
これは、バブル末期の典型的状況だ。
「100人の村現象」については、拙著『勝ち組投資家は5年単位でマネーを動かす』(PHP研究所)で解説した。100人の村人のうち90人が「買いだ!」と叫んでいるときには、彼らはすでに大量に買い込んでいて買い余力がない。むしろ利食い売りのタイミングを待っている。新規に買うことができる村人は10人しか残っていないから、市場が騒いでも株価はなかなか上昇せず、しびれを切らした強気派が売りに向かう。しかし、市場には買い手がほとんど存在せず暴落を引き起こすというわけだ。
市場では、このような循環が繰り返し起こっている。だが、今回、筆者が大きな懸念を抱いているのは、とてつもない惨劇になり得るからだ。
米国のバブルを生じさせた大きな原因の一つである世界的デフレ・低金利の時代は終わっている。少なくとも今後数十年はインフレ・高金利の時代になるはずだ。
インフレに強い懸念を抱いているトランプ氏の政策も、結果的にインフレ促進・高金利を招くだろう。その結果、バブル崩壊は避けられない。不景気と物価上昇が同時にやってくる「スタグフレーション」の可能性が高い。ドルの基軸通貨としての地位も低下しており、さすがのトランプ氏も対処するのは困難だ。
-
- 1
- 2
この記事に関連するニュース
-
上昇が続くビットコインは「バブル」といえるのか 暗号資産推進派のトランプ勝利で高騰続く
東洋経済オンライン / 2024年12月18日 9時20分
-
トランプ氏、財務副長官にフォーケンダー氏指名 元財務次官補
ロイター / 2024年12月5日 15時8分
-
米国人の56%が今後1年間に株価が上昇すると考えている
トウシル / 2024年11月28日 17時16分
-
ドル/円上値重い動き。152円台へ下落
トウシル / 2024年11月27日 9時58分
-
トランプ氏圧勝の米大統領選挙を受け、史上高値更新の米国株の行方は?…市場の反応と今後の注目点
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年11月27日 7時0分
ランキング
-
1「日本軍は被害女性殺害」韓国教科書の慰安婦記述 金柄憲氏が反論「1人も強制連行ない」
産経ニュース / 2024年12月23日 11時25分
-
2運河は「われわれのもの」=トランプ氏に反発―パナマ大統領
時事通信 / 2024年12月23日 14時3分
-
3ゼレンスキー氏、トランプ次期政権で「国際社会に多くの変化」…NATO加盟へ「あらゆるレベルで戦う」
読売新聞 / 2024年12月23日 10時32分
-
4トランプ次期政権に暗雲〝米国バブル崩壊〟の大惨事 インフレ・高金利に懸念 日本は激震に注意、長期的に惨劇がトレンドの転換点に
zakzak by夕刊フジ / 2024年12月23日 6時30分
-
5北朝鮮が年末にかけてミサイル発射のおそれ 韓国軍
日テレNEWS NNN / 2024年12月23日 12時58分
複数ページをまたぐ記事です
記事の最終ページでミッション達成してください