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23歳が覚醒へ…巨人左腕に「スーパーピッチャー」の素質 杉内コーチが語る“あと1つ”

Full-Count / 2024年5月31日 9時3分

ソフトバンク戦に登板した巨人・井上温大【写真:中戸川知世】

■救援で鷹打線を4回完全…阿部監督「(先発で)行かせようかなと」

■巨人 6ー5 ソフトバンク(30日・東京ドーム)

 いよいよ殻を破る時が来た。巨人は30日、本拠地・東京ドームで行われたソフトバンク戦に6-5で逆転勝ち。4回から救援登板した23歳の左腕・井上温大(はると)投手が、4イニングをパーフェクトに抑え今季初勝利を挙げた。阿部慎之助監督は、その井上を来週先発で起用する意向を示した。

 巨人打線は0-5とリードされた3回に、一挙6得点の猛攻で大逆転。直後の4回からマウンドに上がった井上は、強気に押しまくった。ソロ本塁打1発を食らえば即同点となる状況で、まずは4回先頭の川瀬晃内野手を、この日最速の149キロのストレートで見送り三振に仕留める。続く3番・柳田悠岐外野手を外角低めのカットボールで左飛、パ・リーグの本塁打・打点両部門トップの4番・山川穂高内野手を、インハイの147キロで左飛に切って取った。

 投手がテンポよく相手打者を打ち取っていけば、バックの守備も乗ってくる。4イニング目となった7回には1死から、柳田に一、二塁間へ痛烈なゴロを打たれたが、二塁手の吉川尚輝内野手がスライディングキャッチで押さえ、機敏な一塁送球で刺した。続く山川にはフルカウントから低めのスライダーを振らせ、三振で締めくくったのだった。

 結局、12球団トップのチーム打率.257(30日現在)を誇る鷹打線に対し、4イニングで1人の走者も許さず5三振を奪った。プロ5年目の若武者は「1点差でしたが、少し前のヤクルト戦(12日=神宮)で村上(宗隆内野手)さんと対戦した時に、四球で逃げた形になってしまったので、今日はホームランでもいいくらいの気持ちで、思い切って勝負するつもりでした。長距離打者の柳田さん、山川さんにもそういう気持ちで向かっていけたことがよかったです」と胸の内を明かした。

 2022年9月23日の中日戦(バンテリンドーム)に先発しプロ初勝利を挙げて以来の、通算2勝目もゲット。阿部監督は「素晴らしい打者がそろっているソフトバンク打線を抑えられたことを、自信につなげてほしい」と称え、「今のところ、(次回登板は先発で)行かせようかなと思っています」と明言した。

■杉内コーチはポテンシャルを絶賛「真っすぐはピカイチ」

 以前から潜在能力を高く評価され、先発ローテ定着を期待されながら、裏切り続けてきた。昨季は4試合に先発するも0勝1敗、防御率10.95。今季も4月20日の広島戦(マツダスタジアム)に先発した際に4回4失点KOされ、その他のリリーフ登板もぱっとしなかった。井上自身「特に先発の時の、祭り上げられる感じが苦手です。リリーフでを命じられて、ぱっとマウンドに上がる時の方が投げやすいですね」と打ち明けている。

 そんな左腕に、杉内俊哉投手チーフコーチは「先発の時も、長いイニングを投げようなんて思わなくていい。まずは1人ずつ。結果的に5~6回で疲れて、球速が落ちても構わない。あとは先輩の中継ぎ陣が助けてくれるから」とアドバイスを送る。

 さらに杉内コーチは井上を「真っすぐはピカイチ。あとは空振りを取れる変化球がもう1つあれば、スーパーピッチャーになれるはず」と評価。山川らを空振り三振させたスライダーがあるが、「彼のスライダーには“角”がなく、どろんと曲がる。今日は相手にとって初見だったから抑えられたけれど、今のところ70点くらいのスライダーです」と改良を求めている。

 今季は、井上にとって同い年で同期入団の堀田賢慎投手が既に3勝を挙げ、一足早く先発ローテに定着しつつある。「悔しいですし、僕も負けないように、いい投球をして競い合っていきたいです」と語気を強めた。いつまでも“期待株”のままではいられない。(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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