2軍で漏らした“本音” 155キロも…侍経験25歳が苦しむ「データで見えない何か」
Full-Count / 2024年5月9日 8時20分
■オリックス・山崎颯一郎「勝ちパターンで投げることができる状態を」
輝く舞台を知るからこそ、少しでも早く戻る準備を整える。2軍調整中のオリックス・山崎颯一郎投手が復調気配を漂わせている。「状態は上がってきていますし、真っすぐのデータの数値を見ても、昨年とほぼ同じくらいに戻って来ています」。4月14日に出場選手登録を抹消。そこから約20日が過ぎた大阪・舞洲の球団施設で、近況を語った。
4月10日の楽天戦(京セラドーム)、4-4の延長10回から登板。不運な当たりも含め4安打を浴び、勝ち越しを許して負け投手となった。その直後、開幕から4試合に登板しただけで戦列を離れることになった。
プロ8年目の今季、キャンプから抑え気味の調整を続けていた。開幕には間に合わせたが「ずっと自分が思うような球は、正直に言って投げることはできていなかったのですが、何とか間に合わせたんです」と万全の状態ではなかったという。
「出力も勝手に上がるんで」と、マウンド上で湧き出るアドレナリンにも期待したが「勝ち試合で投げられるような状態というか技術まではいっていなかったんです。(中嶋)監督とも話して、勝ちパターンで投げることができる状態を作っています」と打ち明ける。
■復活への鍵は「自分の気持ちの問題」
ウエスタン・リーグで登板する中で、投球フォームは固まりつつある。4月30日の阪神戦では球速155キロをマーク。「やっと、バッターをどう抑えようかという気持ちになれました。それまではいろいろ試しているからいつもと違うところがあっても仕方がないのですが、固まらないから迷いがあって、自分と戦っているようでした」と振り返る。
出口は見えている。「データに見えない何かがあるのは、僕もわかっているんです。最後の(指の)かかりとか(ボールの)押し込みとかがあるんです。あとはもう『自分の気持ちの問題』になってくると思います」。
復調のバロメーターは、ストレート。「バッターが真っすぐだとわかっていても差し込まれるくらいのボールを求めています。狙っている真っすぐで空振りが取れたり、前に飛ばなくなったりしてきたら自信になりますね」と、自己最速を更新する160キロ超を目指す。
3連覇に貢献した昨季は53試合に登板し、胴上げ投手にもなった。「去年、上(1軍)であれだけ投げていただけに、(今は)充実感がないですね。やっぱ、上で投げたいですね」。迷いなく腕を振ることが、復活の近道だとわかっている。(北野正樹 / Masaki Kitano)
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