「おい、なんで西武に行くんや!」 監督室に響いた声…聞こえてしまったFA移籍の真相
Full-Count / 2024年5月21日 7時10分
■阪急・オリックスで46年間を過ごした松本正志氏「2人の声が響いていました」
紛れもなく「勝負師」の声を聞いた。今年3月31日付でオリックスを退職した松本正志氏は、1977年に行われた夏の甲子園大会で東洋大姫路高を全国制覇に導いた。同年に阪急ブレーブスからドラフト1位指名を受けて入団。裏方に転身後はオリックスを含めて46年間のプロ野球人生を全うした。
コーヒーカップをゆっくりと置いた。「もう、時効やろう……」。松本氏はにこやかな表情で話を進めた。「1997年のオフやな。中嶋(聡)監督がFAの時や」。誰にも話したことのない“内緒話”を打ち明けた。
「あの頃は(仰木)監督の部屋とマネジャー室が同じ場所にあったんです。用具担当の僕は、その日マネジャーに用事があって部屋に入ろうとしたら、2人の声が響いていました。これは、入りづらいな……と思って、そっと入ったんです」
2人とは仰木監督とFA移籍する直前の中嶋監督だった。仰木監督は「おい、なんで西武に行くんや! 西武には伊東(勤)がおるやろ?」と問いかけていた。当時、西武の正捕手は固定されていた。ただ、中嶋監督の返事は“男”だった。「僕は……勝負がしたいんです」。
松本氏も仰天した一言だった。勤続46年間で「いっぱい選手を見てきたけど、自分から強敵にいるところを目指したのは(中嶋)監督だけじゃないかなぁ」と深く頷く。一口、コーヒーを注ぐと思い出話が出てきた。
「昔、用具メーカーが捕手マスクのサンプルを持ってきたことがあったんです。チタン製のものを試してくださいと。三輪(隆)が先にグラウンドに降りてきたので、試してもらったんです。そこに中嶋がちょうど来て、試してもらおうとしたら『僕はいいです』ってね。2番目が嫌だったんでしょうね」
生粋の勝負師人生を歩む指揮官の「秘話」を27年間経った今、ようやく“開口”した。「人間、そんな急に変わるもんじゃないよ」。監督就任から3連覇。オリックスが黄金期を迎えた理由が、そこにはあった。(真柴健 / Ken Mashiba)
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
イチロー、断トツに強肩だった印象のキャッチャーとは「150キロ近く出すんだよね」
マイナビニュース / 2024年6月14日 19時30分
-
なぜ「イチロー監督」「松井秀喜監督」は実現しないのか…プロ野球とMLBでまったく違う監督の選考基準
プレジデントオンライン / 2024年6月2日 10時15分
-
イチロー誕生秘話…「シナリオを神様が作った」 “孤高の天才”が生まれた、苦悩の2年間
Full-Count / 2024年5月20日 7時20分
-
反対された結婚、36年間つき続けた“幸せな嘘” 芽が出ずも…感じなかった「解雇になる気配」
Full-Count / 2024年5月19日 7時20分
-
狂った投球フォーム…甲子園V左腕が間違えた“選択” ボロボロの肩と肘、胸中えぐった後悔
Full-Count / 2024年5月18日 7時20分
ランキング
-
1楽天が交流戦初優勝! 球団創設20年の節目に地元で歓喜 40歳今江監督は最年少優勝監督に
スポニチアネックス / 2024年6月16日 16時50分
-
2虎に激震!木浪が「左肩肩甲骨骨折」前日9回に死球「やるつもりでしたけど…」
スポニチアネックス / 2024年6月16日 13時35分
-
3女子バレー日本、五輪は「最強メンバー12人を選びたい」 選手選考に眞鍋監督が言及、リベロの人数は未定【ネーションズリーグ】
THE ANSWER / 2024年6月15日 21時51分
-
4横浜DeNAベイスターズ・山﨑康晃の先発転向を伊東勤氏が提言 「思い切って…」
Sirabee / 2024年6月15日 19時30分
-
5女子100メートルで小針陽葉が連覇…どん底からの復活にのけぞりガッツポーズ…東海高校総体
スポーツ報知 / 2024年6月16日 8時48分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください