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ピンチで力出せない…“緊張感”をどう克服? 勝負に差をつける「普段通り」の強化術

Full-Count / 2024年5月31日 7時50分

香川の少年野球チーム「丸亀郡家軟式野球スポーツ少年団」【写真:チーム提供】

■香川・丸亀郡家軟式野球スポーツ少年団では“スピーチ”でチームワークも向上

 普段通りのプレーは勝利への近道となる。全国大会出場経験のある香川の少年野球チーム・丸亀郡家軟式野球スポーツ少年団(以下、丸亀郡家)は、チームメートの前でスピーチする時間を設けている。1点を争う場面で思い通りのプレーができるようになったり、チームメートとのつながりが深まったり効果が出ているという。Full-Countでは、全国の気になる学童チームの“選手を育てる秘訣”に着目。九座正宣監督に話を聞いた。

 チャンスでの打席。ピンチでの投球や守備。試合では緊張する場面が続く。技術が高い選手でも心が乱れれば、ミスにつながりやすい。おととし12月から丸亀郡家を率いる九座監督は、緊張に慣れる方法の1つにスピーチを取り入れている。主に平日のナイター練習で雨が降った時、練習前に選手を集めて、1人1人順番に発言する機会をつくる。テーマは自由で、持ち時間も決めていない。

 チームにいるのは人前で話すことが好きな選手ばかりではない。中には、最初は周りに聞こえないような小さな声で話す選手や、自分の順番を飛ばしてほしいと願い出てくる選手もいる。九座監督は上手にスピーチができない選手に対し、強要はしない。回数を重ねると、どの選手も少しずつ上達するという。

「選手がスピーチの時間を嫌いになってしまうのは逆効果なので、無理はさせません。次に話せるように準備しておこうと声をかけます。そうすると、何を話そうか普段の練習や学校、家庭で楽しいことを探す意識が芽生えます」


実際のミーティングの様子【写真:チーム提供】

■緊迫した場面でも練習通りに動けるように

 今ではスピーチの機会を楽しみにしている選手も多くなった。高学年はテーマを野球にしぼって、自分の考えや仲間と共有したい思いを語るなど、チームワークを高める時間にもなっている。興味深い内容や共感した話には、自然と大きな拍手や歓声が起きる。九座監督は「段々と内容も濃くなって、選手の成長を感じています。学校や家庭での過ごし方も見えてきて、選手たちのつながりが深まっていると思います」と語る。

 スピーチの効果はプレーにも表れているという。サヨナラのチャンスでスクイズを確実に決めるなど、緊迫した場面でも練習通りに動けるようになった。「精神面の成長をかなり感じています。野球をしているのは同じ小学生なので、試合で普段通りにプレーできるかどうかは勝敗を決める上で大きな要素になると思っています」と九座監督は話す。

 グラウンドで練習する時も、選手が発言や質問をする場をつくっている。ノックでミスが出ても、指導者が原因や解決策をすぐに示さない。ノックを中断して、失敗を繰り返さない方法を選手に問いかける。

「野球に限らずミスの要因を考えたり、自分の考えを周りに伝えたりすることは重要です。緊張した場面で普段通り動く大切さは野球以外の面でも生きてきます」と九座監督。丸亀郡家は6月3日から開催される「少年野球フェスティバル」に登場予定。どんな場面でも平常心でプレーできる選手はチームで心強い存在となり、相手には脅威となる。(間淳 / Jun Aida)

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