盤石の地位築いたハム守護神 壁にぶち当たった新人王…昨季ブレーク選手の“明暗”
Full-Count / 2024年6月4日 20時43分
■日本ハム田中正義は守護神として押しも押されもせぬ存在に
競争の激しいプロ野球の世界で、継続して結果を出し続けるのは容易ではない。「2年目のジンクス」という言葉があるように、前年にチームを支える活躍を見せた選手が、翌年に成績を落とすケースは少なくない。今回は2023年にブレークした選手たちの今季成績を球団ごとに確認していきたい。(成績は5月26日の試合終了時点)
・日本ハム:田中正義投手は2023年に25セーブを挙げ、移籍1年目から守護神として活躍。今季も前年同様に抑えを務めている。防御率も前年の3.50から大きく改善させ、チームの上位争いを支えている。万波中正外野手は昨年、本塁打王にあと1本の25本塁打、守備でもゴールデングラブ賞を受賞した。今季も攻守に奮闘している。
郡司裕也捕手は昨年途中にトレードで加入し、自己最多の55試合で打率.254を記録。、本職の捕手に加えて内外野をこなすマルチな才能を発揮した。今季も随所で存在感を放っている。
・楽天:内星龍投手は昨年リリーフで53登板、防御率2.28をマークした。今季からは先発に転向し、安定した投球で試合を作っている。荘司康誠投手は1年目の昨年先発として防御率3.36と奮闘したが、今季は安定感を欠いている。2023年に新人ながら33ホールドポイントを挙げた渡辺翔太投手も今季は成績を落としており、いわゆる「2年目のジンクス」に苦しめられている格好だ。
野手では2023年に遊撃手のレギュラーとなった村林一輝内野手が、今季もほぼ同水準の成績を残している。昨季から定位置をつかんだ小郷裕哉外野手も前年同様のアベレージを記録し、わずか45試合で前年と同じ13盗塁を記録。主力の座をがっちりと固めつつあると言えそうだ。
・西武:2年目の2023年に先発で9勝をマークした隅田知一郎投手は、今季も先発陣の一角として一定の数字を記録。青山美夏人投手は2023年に新人ながらリリーフで39登板、防御率2.96。先発に転向した今季の1軍登板は1試合にとどまっている。
豆田泰志投手は昨季途中に育成から昇格して16試合で防御率0.59と圧巻の数字を残したが、今季は苦戦している。野手では2023年に100試合に出場した古賀悠斗捕手が今季も主力として奮闘。課題だった打撃も進化を見せている。
■昨年新人王のオリ山下は苦戦、躍進するロッテ友杉
・ロッテ:坂本光士郎投手は2023年に自己最多の51試合に登板。今季は1軍初登板が5月10日と出遅れた、その後は好投を見せている。2023年に44登板で防御率1.25だった西村天裕投手は10登板で防御率8.38と苦しんでいる。横山陸人投手は2023年夏場に勝ちパターンを担う活躍を見せ、今季も一時は抑えを託された。その後は状態を落として現在は2軍調整中だ。
昨年、打率.284を記録した茶谷健太内野手は打撃不振に陥っているが、内野のユーティリティの役割を果たしている。友杉篤輝内野手2023年にルーキーながら64試合で打率.254を記録。今季も引き続き主力として奮闘。藤岡裕大内野手のコンバートで空席となったショートの定位置確保に前進している。
・オリックス:東晃平投手は2023年の夏場以降に先発で6連勝を飾った。今季は右手のマメを潰した影響で離脱して以降はやや状態を落としているが、先発陣の一角として奮闘している。山下舜平大投手は2023年に16登板で9勝、防御率1.61の成績で新人王に輝いたが、今季は3登板で防御率6.43と苦戦を強いられている。2023年に打率.307を記録して首位打者に輝いた頓宮裕真捕手も、今季は不振に陥っている。
2023年に38登板で防御率2.19を記録した小木田敦也投手が今季は13試合で9ホールドポイント、防御率1.38を記録。前年を上回る活躍を見せたが、故障離脱した。
・ソフトバンク:大津亮介投手は2023年に新人ながら46登板で15ホールドポイント、防御率2.43をマークした。先発に転向した今季は抜群の安定感を発揮。新たな先発陣の柱の1人へと成長を遂げつつある。スチュワート・ジュニア投手は2023年に14先発で防御率3.38。今季は開幕ローテーション入りを果たした。ここまで6試合で防御率2.48。来日6年目の大器が昨季を上回る成績を残す可能性もありそうだ。
川瀬晃内野手は2023年に自己最多の103試合に出場した。今季も随所で存在感を発揮している。田浦文丸投手は2023年に45試合で防御率2.38と左の中継ぎとして奮闘したが、今季はコンディション不良もあって1軍登板がない。
はたして、今回取り上げた選手たちは残るシーズンでも活躍を続け、チームで不動の地位を築けるか。前年の活躍から一転して苦しんでいる選手たちの復調も含めて、さらなる躍進に期待を寄せたいところだ。(「パ・リーグ インサイト」望月遼太)
(記事提供:パ・リーグ インサイト)
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