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「野菜、全部きらい」…“極端な偏食”増加中 強豪部活の寮生が克服した「食感」

Full-Count / 2024年6月5日 7時50分

“体が資本”の野球少年の偏食を直す方法とは(写真はイメージ)

■簡単に試せる「○○嫌い」をなくす方法を管理栄養士・渡邊元美さんが解説

 食べ物の好き嫌いがある子どもは多いが、最近は「野菜は全部きらい」「魚はみんな食べられない」といった“激しい偏食”も増えているという。体を大きくしたい、少年野球をはじめとしたスポーツキッズを持つ親としては、頭の痛い悩みだ。元横浜高校野球部の寮母で、松坂大輔投手、筒香嘉智外野手らを食事面から支えてきた経験を活かし、現在は学生アスリートの身体づくりサポート活動を行っている管理栄養士の渡邊元美さんに、解決策について聞いてみた。

「苦手な食品でも、違う種類やメーカーのものだと食べられるというケースを、過去にいくつか見てきました。『絶対食べない』という、提供側の固定観念を外すことも1つの方法です」

 渡邊さんの周囲にも、普段買っている牛乳が売り切れていて、違う種類の牛乳をたまたま購入したら、「これなら飲める」と子どもが飲んでくれたり、トマトが苦手な子に甘みの強い品種を出したら食べてくれたり、といった例があるという。同じ食材でも少しずつ味が違うので、好みに合うものが見つかる可能性はある。まずは手軽にできることから始めてみよう。

 寮母をしていた渡邊さんは、選手たちの好き嫌いにどう対応したのだろうか。

「ナスが嫌いという子が多くて、聞いてみると『グシャっとなる食感が苦手』と言うのです。そこで、食感が残りにくいようにナスは薄切りにし、豚バラ肉で巻いて焼いてみました。豚バラがカリっと焼けるので、そちらの食感が勝るし、少し濃い味付けにすることでパクパク食べてくれました、ナスと気が付かなかったと言われたときはガッツポーズをしてしまいましたね(笑)」

 嫌いなものがあれば、嫌いな理由を聞いてみて、それを解消する調理方法を考えるのも解決方法だ。てりやき味や焼き肉のタレのような、子どもが好きな味付けで、ご飯が進むように少し濃い味にすると、食べてくれることも多いという。

「お子さんが小さい時に、ニンジンをすりおろしてカレーに入れるとか、わからないように細かくして食べさせた経験のある方も多いでしょう。ずっと『嫌い=食べない』のままだと、自分の食べられるものの範囲が狭まって、将来的に困りますからね」


管理栄養士の渡邊元美さん【写真:樫本ゆき】

■偏食は子どもの将来にも響く!?…「食べ続ける」からこそ大切な食育

 食物アレルギーの有無にはもちろん注意したいが、渡邊さんは、お子さんの苦手意識をとりのぞく工夫はしつつ、同時に「食べることの意味を家庭で教えてあげほしい」と語る。

「中学、高校と進むにつれ、親が作ってくれるもの以外を食べる機会が増えます」

 野球部の寮に入れば、好き嫌いばかりは言っていられない。出てきた食事を食べなければ、体を大きくできない。また、甲子園のような全国大会に行き、宿泊先で提供される食事を食べられなければ、パワーが出ずに十分なパフォーマンスが発揮できないかもしれない。トップレベルになれば、海外遠征もあるだろう。

「だから、お子さんにも『食べられないものが多いとパワー不足になってバテるよ。練習してきた力を発揮するためにも、いろいろなものをバランスよく食べた方がいいよね』と話してみたらどうでしょうか」

 スポーツ選手としてだけでなく、大人になって食べられないものが多いと、会食や旅行先でも自分だけ別のメニューを頼むとか、“この店はダメ、あの店もダメ”となる。

 逆に言えば、社会に出てから、“おいしい、おいしい”と食べられることで、相手に好印象を与えられる可能性もあるだろう。なんでもおいしく食べられるのは「最強のスキル」だ。

「将来のために、小学生のうちから食べることの大切さを教えてあげてほしいのです。私たちは一生、食事をし続けるのですから、食べられる選択肢が増えることは、その子の人生も豊かになります」

 そして、「味覚は成長します」と渡邊さん。確かに子どもの頃は苦手だったものが、大人になって食べられるようになった経験をした人は多いだろう。だから、神経質になりすぎず、小・中学生のうちから少しずつ、家庭でもできる簡単な工夫で偏食を直していこう。

 食べる楽しさや大切さをしっかりと伝えて、子どもたちの健やかな成長につなげていきたい。(大橋礼 / Rei Ohashi)

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