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大阪桐蔭で“珍ケース”の両打ち転向 日本一1番打者の使い分け「最初は全然ダメでした」

Full-Count / 2024年6月17日 11時46分

青学大・藤原夏暉【写真:加治屋友輝】

■青学大・藤原夏暉が大学選手権連覇を決める決勝打「誰よりもバットを振った」

 努力のスイッチヒッターが、2年連続日本一をたぐり寄せた。全日本大学野球選手権大会決勝が16日、明治神宮野球場で行われ、青学大(東都大学)が早大(東京六大学)に2-1で逆転勝ちし、2年連続6度目の優勝を飾った。

 主役は、1番打者の藤原夏暉内野手(3年)だ。5回に同点に追いつき、なおも2死三塁。左打席から、早大先発の鹿田泰生投手(4年)の初球を中前へ弾き返す決勝適時打に、一塁塁上で右手を突き上げ、喜びを爆発させた。

「(2失策が絡んだ)4回の失点は、自分の気の緩みもあったと思うので、とにかく取り返すという気持ちで気合を入れていきました」

 8回2死満塁の二塁守備ではゴロをキッチリと処理してピンチ脱出。「飛んできた時はびっくりしてしまった自分がいるんですけど、そういう状況も想定して練習をしてきました」。重圧のかかる場面を、苦笑いで振り返った。

 大阪桐蔭時代から積み重ねてきた努力が大舞台で生きた。高1の夏にコーチの勧めでスイッチヒッターへと転向。高橋慶彦氏(元広島ほか)や、松永浩美氏(元オリックスほか)、松井稼頭央氏(元西武ほか)のように、俊足を生かして右打ちから左打ちを兼ねることは多いが、藤原の場合は、左打ちから右打ちを兼ねるという珍しいケースだ。

「(右打ちは)最初は全然ダメでした。練習して、コーチがとにかく数をやらせてくださって、誰よりもバットを振ったという自負はあります」

 強豪校で生き残るため、必死にバットを振り続け、2年秋から遊撃のポジションを獲得し、春夏連続で甲子園出場。青学大でもスイッチを継続して1年春からベンチ入りすると、今春の東都大学リーグ戦では45打数13安打、打率.289、1本塁打でチームの3連覇に貢献した。


早大戦で決勝打を放った藤原【写真:加治屋友輝】

■珍しい左打ちから右打ちを兼ねるケース「2人いるような感じでやっています」

 右投手の時は左打席、左投手の時は右打席に入るが、それぞれ「別人格」で臨むという。

「完全に分けて、2人いるような感じでやっています。右は何も考えないで、無心でやって、左は理論づけてというか、きっちりやっていかないと崩れやすいので、考えながら打席に立っています」

「本能」の右に比べ、「理論」の左の方が「不器用」だと評する。その不器用さを解消するため、本来は右手で持つ箸を左手に持ち替えて食事をすることもあるという。

「右の方が、変な癖がないというか、素直にバットがポンと出てきます。左だとごまかしがきくので、そこをごまかさないで、右同様に綺麗に打つことができれば、おのずと長打も出ると思います」

 15日の天理大(阪神大学)との準決勝では、右打席で1打数1安打も、左打席では5打数無安打3三振。「左の調子が上がってきていない」と感じるや、試合後、マネジャーを相手に、左打席で打ち込んだ。不断の努力が、決勝打という最高の結果を呼んだ。

 自分と同じスイッチヒッター転向を視野に入れている野球選手に対しては「とにかく練習するしかない」とアドバイスを送る。

「高校時代はキャプテンの池田(陵真、現オリックス)がめちゃくちゃ練習するので、負けないぞという気持ちでやりました。あいつを越したいというのは、今も常に考えながらやっています」

 よき師、よき仲間に恵まれた高校時代。そして大学で日本一連覇に辿り着いた。次なる夢は、昨年成し遂げられなかった春秋4冠。その悲願を果たすため、藤原はバットを振り続ける。(内田勝治 / Katsuharu Uchida)

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