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西武の“起爆剤”候補は新加入29歳 取り戻すべき課題…鍵握るチャンスメーカー

Full-Count / 2024年7月9日 20時9分

西武・松原聖弥【写真:矢口亨】

■松原聖弥は若林楽人とのトレードで西武に移籍

 西武の若林楽人外野手と巨人の松原聖弥外野手のトレードが、6月25日に成立した。松原は2021年に巨人で外野のレギュラーを務めた実績を持つだけに、環境の変化をきっかけにして、本来の打撃を取り戻すことができるかに注目が集まっている。今回はセイバーメトリクスで用いられる各種の指標に基づく、選手としての特徴について紹介する。(記録は7月3日の試合終了時点)。

 新天地では移籍直後からトップバッターを任されている。ヒット性の当たりを放ちながらも好守に阻まれるシーンが続くなどまだ本領を発揮しきれてはいないものの、与えられたチャンスを生かして復活を果たせるか。

 巨人で主力として活躍した2020年と2021年の2シーズンは、ともに出塁率.330台という数字を記録していた。打率と出塁率の差を示す「IsoD」は2年続けて.060台と高くはなかったものの、チャンスメーカーとして一定以上の資質を示している。

 さらに、長打率から単打の影響を取り除いた、真の長打力を示す指標とされる「ISO」に関しても、2021年は.148とまずまずの数字を残していた。一定の長打力と確実性を兼ね備えた存在として、上位打線を務めるに相応しい活躍を見せていたといえる。

 走塁面では松原は2018年に2軍で24盗塁を決めた一方で20盗塁死を喫し、成功率は.545。翌2019年は2軍で17盗塁も成功率.459と大きな課題を残していた。2020年は1軍で12盗塁を決めて盗塁死はわずか2つ。2021年は盗塁成功率.682と前年に比べて数字を落としたものの、優秀な値を記録していた。今季の西武はリーグ4位の39盗塁と走塁面にも課題が残るだけに、機動力の面でも松原選手が得点力向上に貢献できる余地はあるはずだ。

■可能性握る内野安打…生かしたいスピード

 松原が不振に陥った理由の一端は、ホームランを除くインプレーになった打球が安打になった割合を示す「BABIP」にも示されている。この指標は選手の能力以上に運に左右される部分が大きいとされており、一般的な基準値は.300と考えられている。

 松原のような俊足の左打者は内野安打になる可能性が高く、それによってBABIPも上昇しやすい傾向にある。実際、松原は2020年に.340、2021年に.329といずれも基準値を大きく上回るBABIPを記録しており、足を生かして安打数を上積みしていたことがわかる。

 しかし、2022年のBABIPは.160と基準値を遥かに下回る数字まで下落し、2023年のBABIPは.000と、前に飛んだ打球が1度も安打にならない事態に陥った。2024年の移籍前におけるBABIPも.250と基準値よりも低い値だった。

 西武移籍後のBABIPも.125と非常に低い数字であり、相手の好守に安打を阻まれるケースが多くなっていることが、指標においても示されているといえよう。移籍をきっかけにして再び足を生かしたプレーを復活させ、新天地においてチャンスメーカーとしての役割を全うすることができるか。松原選手がオフェンス面で本来のプレーを取り戻せるかどうかは、得点力不足に苦しむチームにとっても大きな意義を持ちそうだ。

 松原の加入が外野争いにおけるカンフル剤として機能することにも期待を寄せたい。また、チャンスメーカーとしての実績に加えて長打力と盗塁技術も兼ね備えある。現在の西武打線に不足する要素を補える存在でもある。再びキャリアを軌道に乗せることができるか。ここから打率を向上させて最下位に沈むチームの起爆剤となれるか、俊足強肩の外野手が見せる今後のプレーには要注目だ。(「パ・リーグ インサイト」望月遼太)

(記事提供:パ・リーグ インサイト)

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