度会は「慌てふためいていた」 名コーチが見た“ライトゴロ”…分析した悪送球の原因
Full-Count / 2024年7月10日 8時10分
■5球団で外野守備走塁コーチを務めた笘篠誠治氏が度会のプレーを解説
7日に甲子園で行われた阪神-DeNA戦で、9回にDeNAのドラフト1位・度会隆輝外野手が右ゴロを狙うも悪送球となってサヨナラ負けに繋がったプレーについて、西武や中日、ソフトバンクなど5球団で22年間外野手守備走塁コーチを務めた笘篠誠治氏が解説。送球の際にステップした左足が一塁方向からズレていたことを指摘。「おそらく慌てふためいたのでしょう」と分析した。
5-4の9回2死満塁、度会は代打・原口文仁内野手の右前打を処理した。浅い守備位置から右ゴロを狙ったが一塁から大きく左にそれる悪送球。そのまま二塁走者も生還し、阪神のサヨナラ勝ちで決着した。
「あの場面でライトゴロを狙う判断は間違っていなかったと思います。あの打球の強さ、原口選手の足の速さを考えたら、狙ってもおかしくない。度会選手もいいチャージをしていました。天然芝の甲子園ですが、ゴロを捕球した形も気になる部分はありませんでした」
打球を捕って、右ゴロを狙った送球は、度会から見て大きく左へそれた。笘篠氏は「ステップした左足が左にずれていたんです。その左足の延長線上に度会選手は投げていたので、ああいう結果になってしまった。ベンチから右ゴロ狙いの指示もあって準備はしていたと思いますが、慌てふためいてしまったんじゃないでしょうか」と分析した。
プロ野球でライトゴロは「年に1回あるかないかのプレー。ライトからホーム、二塁、三塁に投げる練習はほぼ毎日しますが、ライトゴロの練習を毎回やるチームは見たことないですし、私もやらせたことはありません。キャンプでもそこまでやらないでしょう」という。練習量の極めて少ないプレーが、試合の大事な場面で求められたことも、度会が慌ててしまった要因にあると説明した。
しかし、笘篠氏は「あそこは美味しいところですよ。ライトゴロが決まっていればDeNAが勝っていたんですから」。そしてルーキーの痛恨のミスに「可哀そう」という声もあるが「私たちの世界には『可哀そう』はありません。ルーキーだろうと1軍の試合にでているんですから。秋には優勝争いに大きく関わる勝敗になっている可能性もありますし」と厳しい私見も述べた。
「これから練習するしかないです。次にライトゴロを狙うプレーは3年後かもしれないし、明日かもしれない。ただ練習で100%にしておかないと試合では成功しません」。ワンプレーの“重さ”を痛感したゴールデンルーキーの、さらなる成長を期待した。(湯浅大 / Dai Yuasa)
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