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勝ったのに「気持ちよくない」 怒りの巨人阿部監督…選手に求めた“脱・悲壮感”

Full-Count / 2024年7月17日 13時17分

巨人・阿部慎之助監督【写真:矢口亨】

■「チャンスなのに悲壮感しか伝わってこない」

■巨人 2ー1 阪神(16日・東京ドーム)

 巨人は16日、本拠地・東京ドームで行われた阪神戦に2-1で競り勝ち、首位の座を堅持した。先発の山崎伊織投手が7回8安打1失点と“粘投”し、救援陣も相手につけ入る隙を与えずにしのぎ切ったが、一方で攻撃陣は3度あった満塁のチャンスで1点も取れない拙攻ぶり。就任1年目の阿部慎之助監督は試合終了後の会見で、今季MAXの怒りを露わにした。

 テレビインタビューの最後に、「今日はちょっと、勝ったんだけど、あまり気持ちよくない勝ち。いろんなミスが出て、やるべきことが全くできていなかった。もういっぺん、しっかり締めて明日頑張りたいと思います」と不満をのぞかせたのは、まだ序の口だった。

 その後、ペン記者に囲まれた阿部監督は「なんかベンチから見ていると、みんなヒーローになりたくねえのかなって。チャンスなのに悲壮感しか、こっちに伝わってこない。よーし、みたいなのが全くない。打てなかったらどうしようみたいな、そっちばかりが見えてしまう。チキンなだけなんだろうけど」とスパークした。

 初回の攻撃で、今季リーグトップタイの8勝を挙げている相手先発・才木浩人投手に対し、岡本和真内野手の左前適時打と大城卓三捕手の左翼線適時二塁打で2点を先取したまでは最高だった。ところが、なおも続いた1死二、三塁のチャンスで、岸田行倫捕手が空振り三振。続く岡田悠希外野手は四球を選び、2死満塁としたが、門脇誠内野手が初球の真ん中の速球を打ち上げて右飛に倒れ、追加点を奪えなかった。

 1点差に詰め寄られて迎えた3回にも、1死満塁のチャンスがあったが、門脇が空振り三振。続く山崎伊織投手も打つ気満々だったが、空振り三振に仕留められ、バットを地面に叩きつけるような仕草で悔しがった。7回2死満塁でも、岸田が右飛に倒れて得点できなかった。

■試合中はポーカーフェイス、会見でもこれまでは常に冷静だった

 残念な意味で象徴的だったのは門脇。ここまでに満塁機で2度凡退していたが、さらに1点リードの8回にも、無死一塁で打順が巡り、送りバントのサインが出た。1、2球目に連続ファウル。いずれもバントするのは簡単でない高めの速球で、この時の門脇の追い詰められた表情は気の毒に見えるほどだった。結局強攻に切り替え、カウント1-2から見逃し三振に終わった。

「あまり言いたくないんだけど、何が何でも、というのが見えない。そういう姿を見せてほしい。勝ったけれど、うれしい半面、ひどいプレーがいっぱい出たし、ここという時に外野フライの1つとか、そういうことができていなさ過ぎた」と阿部監督は厳しい表情で続けた。

 就任1年目の指揮官は開幕からこれまで、試合中はベンチでポーカーフェイスを貫き、試合後の会見場でも冷静に振り返り、声を荒げることはなかった。初めて感情を露わにし、選手たちにも当たり前のことを確実にこなす緻密さと、ここぞの場面での気迫を強く求めた格好だ。阿部監督の“キャラが立った”と言っていいかもしれない。「これでぴりっとすると思う。何も言わずにやっていても、どうしようもない。多少の厳しさは出していかないといけないと思います」とうなずいた。

 反省点が多い試合だったが、それでも勝利をものにできたのは救い。阿部監督は「それが幸いだよね。負けていたら、今日は(会見場に)来ていないよ」と最後に少しだけ場を和ませて、会見を締めくくった。同日現在、巨人は単独首位に立っているとはいえ、4位までが1.5ゲーム差内にひしめく大混戦。勝負の球宴明けへ向けて、阿部監督自らギアを上げた。(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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