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巨人25歳が深めた自信 掴んだ7勝目…阿部監督の執念「先に降ろしたくなかった」

Full-Count / 2024年7月17日 13時55分

阪神戦に先発した巨人・山崎伊織【写真:荒川祐史】

■巨人・山崎伊織、7勝目の裏にあった“秘話”

■巨人 2ー1 阪神(16日・東京ドーム)

 宿命の“ライバル伝説”が幕を開けた。巨人の山崎伊織投手は16日、本拠地・東京ドームで行われた阪神戦に先発し、7回8安打1失点の“粘投”で今季7勝目(2敗)を挙げた。同郷(兵庫県)で同い年の相手先発・才木浩人投手との初の投げ合いを制した。

 調子は決してよくなかった。初回に味方打線が2点を先制してくれたが、直後の2回に3安打を集中され1点を返される。その後も1点リードのまま、毎回ヒットを許したが、粘りの投球で追いつかせなかった。

 ポイントの1つは、5回2死一、二塁で大山悠輔内野手を迎えた場面だった。初球がボールになった後、岸田行倫捕手のサインに反応し、絶妙のタイミングで二塁へ牽制球を投じて、走者の野口恭佑外野手を刺した。「フィールディングはどちらかというと得意だと思っています。プロに入った時から『大事だよ』と言われてきたことなので、よかったです」とうなずいた。投球以外の“芸”が身を助けた。

 配球も工夫した。普段ストレートに次いで割合が多い球種はカットボールだが、この日は捕手の岸田から「カットよりスライダーの方がいい」と指摘されてスライダーを増やすと、尻上がりに調子を上げていった。

 杉内俊哉投手チーフコーチが「ブルペンでもあまり調子が良くなくて、体が重たそうだった。立ち上がりは球速が出ていなかったけれど、なんとかやってくれると思って7回まで引っ張りました。球速が7回に一気に上がったあたりが、すごいところだね」と評した通り、序盤に140キロ中盤にとどまることが多かったストレートが、この日の最終イニングの7回に入ってから、115球目に最速タイの151キロを計測。120球を超えてからも150キロを2度マークした。こうした粘りと修正能力が強みだ。

■才木とは高校時代に練習試合で対戦「すごいなと思って見ていました」

 山崎伊は兵庫・明石商高、相手先発の才木は同県の須磨翔風高出身で、ともに1998年生まれの25歳。山崎伊は「隣町の出身で、小・中学生の時も名前を聞いたことはありました。高校の時に練習試合で何度か対戦して、(当時の)僕にはプロに行けるような実力がなかったので、すごいなと思って見ていました」と振り返る。

 才木が2016年ドラフト3位で高校から直接プロ入りしたのに対し、山崎伊は東海大進学後に台頭。2020年ドラフト2位で巨人入りし、3年目の昨年には、才木がいまだに達成していない2桁勝利(10勝)をマークした。ただし今季は16日現在、才木がリーグトップタイの8勝を挙げ、山崎伊は7勝。防御率も才木がリーグ2位の1.20、山崎伊は同4位の1.67で一歩リードを許している。

 阿部慎之助監督はこの日「才木投手と投げ合いになって、本人(山崎伊)にとっても大きい1勝だったのではないですかね。本当は相手投手より先に降ろしたくなかった。僕の意地で投げてもらいました」と胸の内を明かした。もっとも“意地”に関しては相手の岡田彰布監督の方が1枚上手だったのか、才木は終始ビハインドの展開でも投げ続け、結局2失点完投負けとなった。

 チームぐるみで意地の張り合いとなった格好だが、白星を手にしたのは山崎伊。杉内コーチは「今季はあと7~8試合投げられるかな。最低でも2桁は勝ってくれるだろうし、彼自身は残り全勝するつもりで行くと思う。15勝を目指してやってもうらいましょう」とボルテージを上げた。才木と切磋琢磨して、いずれは球界を代表する2人になってほしいものだ。(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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