同級生ドラ1は「やっぱり気になる」 社会人2年目…大阪桐蔭“最強世代”24歳の本心
Full-Count / 2024年7月22日 7時20分
■福留孝介氏から「もっと自分の本能でいけ」
都市対抗野球大会が19日に開幕した。今年、歴代最多・63回目の本戦出場を決めた大阪市・日本生命から、今大会注目選手の1人である山田健太内野手にインタビューを行った。後編では、都市対抗野球大会への思いと、プロで活躍する学生時代のチームメートについて聞く。
ルーキーイヤーの昨年からチームの主力として都市対抗に出場。初戦の仙台市・JR東日本東北戦で3打数1安打を記録した。初出場でヒットが生まれたものの、「『打ちたい、打ちたい』ということで頭がいっぱいで、ほとんど初球を打っていました。初球から打つのは良いことだと思いますが、焦りがすごく先行した結果で」と、満足のいく内容ではなかった。その経験を踏まえて今大会は、特別コーチを務める元スラッガーのある言葉を胸に臨む。
「以前、福留(孝介)さんに『バッターボックスで考えすぎ。もっと自分の本能でいけ』という言葉をかけられたことがあって、すごく刺さったんです。もっと自分を信じていこうと。今年は今までやってきたことを整理しながら打席に入って、ピッチャーとの対戦を楽しみたいなと思います。福留さんの言葉を借りると『本能でいく』がテーマですかね」
今年5月、近畿地区第2次予選で「本能でいく」ことの成功体験を得た。日本製鉄瀬戸内との第1代表決定戦に「6番・二塁」で出場すると、1点ビハインドの9回、1死二塁の場面で打席を迎える。
「その試合はバントを失敗したり、三振したり。全然良いところがなかったんですけど、ああいう場面で回ってきたので、もうそれまでの結果を忘れて『いっちゃれ!』という感じで」
カウント2-1から捉えた打球はレフト線を破り、同点の適時二塁打に。その後、2死二塁から勝ち越し打が生まれた日本生命は、7年ぶりに第1代表となった。
2回戦の三菱重工Westとの試合でも、第3打席まで無安打だったが、1点リードの8回にチャンスで回ってくるシーンがあった。その試合でベンチ入りしていた福留氏からは「何も考えず方向だけ決めていけ」と言われたそう。その言葉の通り打席に立つと、貴重な追加点となるセンターへの適時打を放ち、チームの勝利に貢献した。
■本戦では「チームの勝ちにつながる一本を」
迎える本戦では何よりも成し遂げたい目標がある。「昨年11月の日本選手権はベスト4で、チームはそこからより一層『日本一になるんだ』という気持ちを強く持っています。自分は日本一に貢献するために、チームが苦しい場面で打席が回ってきたとき、勝ちにつながる一本をたくさん打ちたいです」。
都市対抗と日本選手権の2大大会制覇を果たした2015年以来、9年ぶりの頂点を狙う日本生命。打力が強みと言われているが、山田はチームの「守備のリズム」に注目してほしいと話す。「打力を生かすためには守備のリズムが大事だと思っています。予選でも良い勝ち方をするときは、失点をしても守備のリズムが良くて、そこから攻撃につながった場面がありました」と自信をのぞかせた。
そのなかでも、同学年の石伊雄太捕手の強肩を称賛。盗塁阻止力の高い二塁への送球を「通常、二塁ベースが終着点になりますけど、石伊の場合はベースの奥まで行くイメージで、その途中で僕が捕っているという感覚」と表現している。
今大会の自身のアピールポイントには「勝負強さ」を挙げた。「昨年の都市対抗は1回戦負けという結果だったので、今年は優勝するために僕がたくさん活躍して、チームを勝ちに導きたいという思いが強いです。ここ一番での一本に期待して見てほしいと思います」と強く意気込んだ。
■自分を奮い立たせてくれる、学生時代の盟友の存在
刺激になる存在がいる。プロで活躍する、学生時代のチームメートたちだ。「自分では意識していないと思いつつ、やっぱり試合に出たとか打ったとかは気になって。最近(藤原)恭大が復帰して打ったとか、荘司(康誠)は2軍で投げているなとかチェックしていますよ」と微笑む。
侍ジャパン大学代表で共に戦った、矢澤宏太投手や奈良間大己内野手とも親交が深く、最後に彼らへの思いを聞いた。「自分を奮い立たせてくれて、自分もその舞台に行きたいという思いをより一層強くしてくれる大きな存在です。対戦したいか、一緒にプレーしたいかですか? 一緒にやりたいですね!」。
かつての仲間と共に、プロの舞台で活躍することを目指す山田は、まずは目の前の大会に全力を注ぐ。初戦は7月24日午前10時から、さいたま市・日本通運と対戦する。(「パ・リーグインサイト」高橋優奈)
(記事提供:パ・リーグ インサイト)
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