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小柄な体でもフルスイング推奨のワケ “否定しない指導”の原点「本塁打打ちたかった」

Full-Count / 2024年7月25日 7時50分

野球塾を運営する「macoちゃん」こと森原誠氏【写真:本人提供】

■森原誠氏は広島や大阪で野球塾運営…否定的な言葉を使わない指導

 体が小さい子どもたちほど、本塁打を狙ってもらいたい。指導の根本には自身の苦い経験がある。甲子園出場や独立リーグ所属の経験を持つ森原誠さんは、自身が運営する野球塾で、技術以上に野球の楽しさや本塁打を打つ喜びを伝える指導を大切にしている。Full-Countでは、全国の注目野球塾の指導方針やこだわりの練習法などを取材。森原さんに、現在の指導信念に至った経緯を聞いた。

「macoちゃん」の名前で活動する森原さんは、広陵高で甲子園に出場し、吉備国際大を経て独立リーグ・徳島インディゴソックスでプレーした。現役引退後は会社員をしていたが、2019年にボランティアで知人の子どもに野球を教えたことをきっかけに指導の面白さを知り、翌2020年から野球塾を開校した。現在は福山、広島、大阪、富山、横浜などで主に小・中学生を指導し、星野伸之野球アカデミーのアドバイザリーコーチも兼務。レッスン希望者は全国各地から集まっている。

 森原さんはレッスンで選手を叱ることはない。否定的な言葉を使わないように徹底し、課題を見つけた時は「今のままでも悪くないから、もっと良くなる方法を試してみよう」と声をかける。そして、うまくいった時は大きな声で具体的に褒める。うれしさや楽しさを感じると、選手たちは前向きに練習するという。選手たちへのポジティブな声かけは、「自分と同じ思いをしてほしくない」という森原さんの過去の経験からきている。

「自分が現役の頃、野球を楽しめませんでした。野球選手としては体が大きくありませんでしたが、本塁打を打ちたい願望をずっと持っていました。ただ、そういう打撃はいらないと言われて、苦しい思いをしてきました。指導は時代とともにアップデートする必要があるので、子どもたちには楽しく野球をしてもらいたいと思っています」


打撃指導をする森原氏【写真:本人提供】

■選手たちには「打球を遠くに飛ばす快感を味わってほしい」

 森原さんは現役時代、50メートル5.9秒の俊足を武器にしていた。所属したチームでは足を生かす打撃に徹するよう指導された。もちろん、足でチームに貢献する大切さは理解している。ただ、「本塁打を打ちたかったですね。褒められることなく、怒られて野球を続けていました」と振り返る。

 スタメンで起用されても、打席で楽しみを見出せなかった。自身が指導者になった今、選手たちには打球を遠くに飛ばす快感を味わってほしいと考えている。

「体が小さい選手ほど、本塁打を狙ってほしいんです。そのために必要な技術を指導していますが、全打席で本塁打を狙うイメージでいくように伝えています。一番大事なのは、しっかりとバットを振ることです」

 森原さんの野球塾に通う選手たちは普段、所属するチームでプレーしている。チームと野球塾の考え方に違いが生まれるケースはある。しかし、森原さんはチームの方針を否定しない。選手にとって引き出しの1つとなるように野球塾でアドバイスする。森原さん自身、現在は小学部と中学部のある富山県の野球チーム・出町TINKERBELLボーイズで総監督を務めていることもあり、チームと野球塾どちらも選手の成長に不可欠だと感じている。

 こうした指導方針や練習メニューは、8月5日から5夜連続で開催するオンラインイベント「少年野球個人練習EXPO」でも詳しく紹介。イベントには森原さんの他にも、全国各地の野球塾の指導法が登場する。(間淳 / Jun Aida)

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