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巨人が首位ターンできた理由…セ界最高の「55.2&16.9」 復調したベテランの存在感

Full-Count / 2024年7月25日 16時56分

巨人・丸佳浩【写真:矢口亨】

■ペナントレース前半をデータでふりかえる 読売ジャイアンツ編

 プロ野球は前半戦が終了。巨人は阿部慎之助新監督のもと、首位での折り返しに成功した。今季ここまでの得点と失点の「移動平均」(大きく変動する時系列データの大まかな傾向を読み取るための統計指標)から、チームがどの時期にどのような波だったかを検証する。

 交流戦を終えるまでで貯金1という状況だったが、リーグ戦再開後は攻撃陣、投手陣ともに活性化し、大きく勝ち越しを作ることに成功した。先制率55.2%、初回失点率16.9%はセ・リーグで最良の数値であり、優位な試合運びができていることがわかる。

 ポジション別の得点力としては、一塁の岡本和真内野手による貢献は今季も健在であり、その存在は大きい。右翼の丸佳浩外野手は、開幕当初は調子を崩し、佐々木俊輔外野手や萩尾匡也外野手といった若手に出番を譲る場面も多かった。

 しかしゴールデンウィークから1番を任されると本来の調子を取り戻し、7月21日時点で打率.309、出塁率.387(ともにリーグ2位)と1番打者としての役目を十分に果たしている。また、二塁の吉川尚輝内野手とともに上位打線の一角を担っているのが5月に新加入したエリエ・ヘルナンデス外野手である。規定打席未達ながら打率.319、OPS.842はチーム随一の成績である。

 1番から4番までは12球団平均よりも高いことが示されており、上位打線が機能していることがわかる。それが高い先制率に表れていることだろう。

■失策数は12球団で最少の「29」

 投手陣では戸郷翔征投手とフォスター・グリフィン投手の貢献が大きいと言える。甲子園での阪神戦でノーヒットノーランを達成した戸郷は先発17試合で防御率2.11、クオリティスタート(QS)14試合(82.4%)、ハイクオリティスタート(HQS)10試合(59%)、WHIP0.92と抜群の安定感を見せている。

 ただ被本塁打11は気になるところである。グリフィンは、防御率2.38、奪三振率9.23、QS率70%、HQS率50%、WHIP0.94と安定しており、チームに大きく貢献している。そして、アルベルト・バルドナード投手や大勢投手ら救援陣の活躍により、安定の数値を残している。

 このように盤石な投手陣に加え、失策数29は12球団最少。さらにはフィールド内に飛んだ打球のうちアウトにした割合を示すDERは74.0%で、これはリーグトップの成績である。強固なディフェンス力もリーグ首位の要因となっていることだろう。鳥越規央 プロフィール
統計学者/江戸川大学客員教授
「セイバーメトリクス」(※野球等において、選手データを統計学的見地から客観的に分析し、評価や戦略を立てる際に活用する分析方法)の日本での第一人者。野球の他にも、サッカー、ゴルフなどスポーツ統計学全般の研究を行なっている。また、テレビ番組の監修などエンターテインメント業界でも活躍。JAPAN MENSAの会員。近著に『統計学が見つけた野球の真理』(講談社ブルーバックス)『世の中は奇跡であふれている』(WAVE出版)がある。7月22日に横浜ネイキッドロフトでトークイベント「セイバー語リクスナイトinYOKOHAMA」を開催する。

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