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“一塁・大城卓”急増のワケ 阿部監督の思惑…専門家が分析「満足していなかった」

Full-Count / 2024年7月27日 11時32分

巨人・大城卓三【写真:矢口亨】

■巨人に“2人の捕手”が必要な理由を専門家が分析

■巨人 5ー2 DeNA(26日・横浜)

 セ・リーグ首位の巨人は26日、敵地・横浜スタジアムで、オールスター明け初戦のDeNA戦に5-2で勝利した。7月は12勝4敗の快進撃で、混戦のペナントレースから抜け出すきっかけをうかがう。大城卓三捕手をファーストで起用し、岸田行倫捕手とともに、捕手登録の2人を打線に並べる布陣が功を奏している。

「今のところ2人とも打撃好調です。逆に言えば、どちらかが調子を落とした時、阿部慎之助監督がどう起用していくかに注目したいですね」。こう指摘するのは、現役時代にヤクルト、日本ハムなど4球団で21年間捕手として活躍した野球評論家・野口寿浩氏だ。

 大城卓も岸田も、2人とも打線に欠かせない。巨人は1-2とリードされた6回、1死一、二塁の好機に「5番・一塁」でスタメン出場していた大城卓がDeNA先発アンドレ・ジャクソン投手の内角直球を右安打し、同点に追いついた。大城卓は今季、打率が1割台を低迷していた5月8日に出場選手登録を抹消され、同31日に再昇格するまで2軍で調整を余儀なくされた。しかし1軍復帰後は徐々に調子を取り戻し、7月に入ってからは16試合で打率.373(51打数19安打)、1本塁打、8打点の打棒を振るっている。

 一方の岸田は、同点のまま迎えた8回、2死満塁で打席に入ると、DeNA2番手の中川虎大投手に対し、初球の内角高めの直球を左翼線に打ち返し、殊勲の勝ち越し2点二塁打。これが決勝点となった。

 岸田は今季、すでに年間自己最多を上回る58試合に出場。スタメン捕手としての出場はチーム最多の46試合で、盗塁阻止率は両リーグを通じてトップの.500を誇っている。「意表を突くようなことはあまりしませんが、手堅いリードをする捕手です」と野口氏は評する。もともとパンチ力のある打撃にも定評があった。

 対照的に、昨年までスタメン捕手としてしての出場が4年連続でチーム最多だった大城卓は、今季捕手としては18試合の先発にとどまり、岸田、小林誠司捕手(26試合)の後塵を拝している。その代わり、昨年と一昨年にはなかった一塁手としての出場が20試合に上っている。

■バルドナードが制球を乱せばケラーを投入…格段に増えた駒

 村田善則総合コーチは「大城卓は昨年まで正捕手として3年連続V逸となった責任を感じていました。その流れを引きずって、今季いいスタートを切れなかったところがあります」と指摘。野口氏も「捕手出身の阿部監督が昨年までの大城卓のリードに満足していなかったということだと思います」と見ている。阿部監督は原辰徳前監督の下で、一昨年は1軍作戦兼ディフェンスチーフコーチ、昨年は1軍ヘッド兼バッテリーコーチを務めていた経緯がある。今後の起用法は、チームの浮沈に大きく関わりそうだ。

 もう1つ、巨人の快進撃の要因と見られるのが、昨年まで“弱点”といわれていた中継ぎ投手陣の健闘だ。26日のDeNA戦では、先発の赤星優志投手が5回2失点で降板したが、実績のある左腕・中川皓太投手が6回をピシャリと抑え、7回は左腕の高梨雄平投手と右腕の船迫大雅投手が2人がかりで無失点に封じた。

 3点を勝ち越した直後の8回、セットアッパーのアルベルト・バルドナード投手が2四球と自身の失策で1死満塁のピンチを招くと、すかさずカイル・ケラー投手にスイッチし後続を断った。9回は守護神の大勢投手が危なげなく逃げ切った。

 泉圭輔投手も今季防御率0.74、平内龍太投手も防御率1.20と好調。さらに、6月30日以降2軍で調整しているドラフト1位ルーキー・西舘勇陽投手も「新人ですから、もともと“早めの夏休み”を取らせたいと思っていた」(杉内俊哉投手チーフコーチ)という狙いがあった。今後、投手陣に疲れが出る時期に再昇格し貴重な役割を果たす可能性がありそうだ。

 野口氏は「今季の巨人の中継ぎ陣は昨年に比べると、格段に駒が増えました。阿部監督が開幕当初から、いろいろな投手を試し競争させながら成長を促してきた結果だと思います」と見る。4年ぶりのV奪回へ向けて、正念場で勝ち抜く態勢が整いつつある。(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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