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小学生で肘痛…故障続きで「つらいことしか」 教え子1万人超、“投球特化指導”の原点

Full-Count / 2024年7月30日 7時50分

「PITCH DESIGN KAGAWA」の指導の様子【写真:六車有志氏提供】

■香川県の野球塾「PITCH DESIGN KAGAWA」で代表を務める六車有志さん

 怪我に泣かされ野球を諦めた「つらい思い」を、子どもたちには味わってほしくない。香川県高松市の野球塾「PITCH DESIGN KAGAWA」の代表を務める六車有志さんは、これまで1万人以上の投手の指導経験を持つ。Full-Countでは、全国の注目野球塾の指導方針やこだわりの練習法などを取材。高校時代に現役を引退し、指導者に転身した理由を聞いた。

 六車さんは現役時代の思い出を「つらいことしかなかった」と振り返る。野球を始めた小学生の時から野球肘に悩まされ、中学生になっても痛みは取れなかった。ごまかしながら投球を続けていたが、ついに我慢できずに病院へ。医者からは「剥離骨折寸前の状態」と忠告され、保存療法を選択し半年間の投球禁止を言い渡された。

「小・中学生も満足に投げられたことはなかったです。痛いけど、何をしていいかわからない。投げられないならタイヤを引っ張って走るだけ。今とは違い簡単に情報が得られない時代。自分にも知識がなく、教えてくれる人もいなかった。投手は『投げ込み、走り込み』が当たり前でした」

 高校は春夏5度の甲子園出場を誇る地元の志度高校に進学。だが、今度は肩を痛め満足に投げられない日々が続いた。エースとして迎えた3年夏も大会直前まで肩のリハビリを続け、満足に調整できないまま完投するも1回戦敗退。最速134キロ左腕として注目を集めていたが甲子園は遠かった。


最先端の投球理論をもとに指導を行う【写真:六車氏提供】

■プロ野球選手の自主トレにも参加し気づいた「準備の大切さ」

「大学からの話もありましたが、これまでいい思い出はなかったので……。僕の野球人生は怪我して休んでの繰り返し。大学にいっても迷惑をかけるだけなので、野球は高校までで諦めました」

 高校卒業後は「自分のような選手を1人でもなくしたい」との思いから、理学療法士を目指し専門学校に進み免許を取得。体の仕組み、最先端の投球理論を学び指導者に転身した。現在は自らの体を“実験台”にしインスタグラムでは「球速140キロチャレンジ」にも取り組んでいる。

 指導者になってからは知り合いを通じ、元中日の吉見一起氏の野球教室や、巨人・高橋優貴投手、ヤクルト・田口麗斗投手らの自主トレにも参加。一流のプロ野球選手たちの動きを目に焼きつけた。投球の質、スピード、変化球もさることながら、一番驚いたのは「準備の大切さ」だという。

「最初の準備でもストレッチだけで1時間かけて行う。関節を動かすメニューなども自分の動きを理解しながら重点的にやっていた。想像以上に走り込みもしていて、『プロでもここまで走るんだ』と驚きました。ただ、やみくもに走るのではなく、10本走るなら1本目から最後まで誤差のないタイムで走る。全ての動きに明確な理由がありました」

 野球塾には香川の野球少年たちがこぞって集結する。投球に特化した「PITCH DESIGN KAGAWA」は8月5日からの「少年野球個人練習EXPO」でも紹介予定。六車さんは子どもたちに正しい投球フォーム、トレーニングを身につけ、長く現役を続けることを願っている。(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)

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