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1週間30球に衝撃…球数制限の間違った解釈 投球フォーム固めに必要な“質と量”

Full-Count / 2024年7月31日 7時50分

「PITCH DESIGN KAGAWA」は理論を体現できる土台作りを重視【写真:六車有志氏提供】

■高校卒業後に理学療法士の資格を取得…指導者に転身した六車有志さん

 球速アップ、制球力の向上には必ず原理原則がある。過去の経験や感覚的な指導法に正解はない。香川県高松市の野球塾「PITCH DESIGN KAGAWA」の代表を務める六車有志さんは、高校卒業と同時に投球動作のメカニクスを一から学んだ。Full-Countでは、全国の注目野球塾の指導方針やこだわりの練習法などを取材。六車さんは最先端の理論を用いて、子どもたちに“正しいピッチング”を伝えている。

 六車さんは、春夏5度の甲子園出場を誇る地元の志度高校に進学するも、度重なる怪我に泣き高校野球を終えると現役を引退した。最速134キロ左腕として大学から話もあったが、指導者としての道を選択。理学療法士の資格を取り、現代野球の文献を渉猟するなど、指導者になるための準備を怠らなかった。

「PITCH DESIGN KAGAWA」の代表を務めながら、高校の先輩で元オリックスの高橋浩司氏が経営する「高橋野球塾」でも、投球動作専門コーチとして指導を続け、これまでの指導実績は1万人を超える。地元・香川の子どもたち、保護者から信頼される理由は細分化されたスローイングドリルだ。

「まずは自分で動きを見せて、子どもたちに模範的な動きをしてもらいます。スローイングから投球フォームまで細かくチェックし指導します。これまでの経験上、全てではないですが、少年野球の指導者は感覚的な指導が多いと感じます。感覚的な指導に悩む子どもたちはたくさんいます」


「PITCH DESIGN KAGAWA」代表を務める六車有志氏【写真:本人提供】

■「球数制限が悪い方向にいってしまうと、将来的に子どもたちが不幸に」

 令和の子どもたちの技術は確実に進歩しているが、早く結果を求める傾向があるという。アマチュア野球に球数制限が導入され、酷使され続けた投手がようやく守られる時代になった。だが、球数制限に過敏に反応する指導者も増え、基本の投球動作ができない子どもたちが増えているという。

「軸足で立てず、不安定な子もたくさんいます。1週間の練習でどれだけ投げるか聞いた時に『30球です』と答えた選手がいました。投げ過ぎるのはダメですが、ある程度は投げないとフォームも固まりません。数球だけ素晴らしい球を投げても意味がない。1試合を投げきれる投手は確実に減っている。球数制限が悪い方向にいってしまうと、将来的に子どもたちが不幸になります」

 理論や技術はもちろん必要だが、その根底にあるのは体現できる土台作り。「反復練習、量は絶対に必要になります。そのなかで何をやるかが大切。正しい動き、質を上げながら量をこなさないと身に付きません」。簡単に結果を求めるのではなく、継続力が一番の成功の近道とみている。

 投球向上に特化した「PITCH DESIGN KAGAWA」は8月5日からの「少年野球個人練習EXPO」でも紹介予定。六車さんはこれからも地元・香川から全国に通用する投手を送り出していく。(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)

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