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球速アップの根幹が“正反対” 米国式理論から導く、フォーム固めに「最適な年代」

Full-Count / 2024年8月1日 7時5分

「Be an Elite」の指導の様子【写真:松本憲明氏提供】

■愛知で野球塾を運営する松本憲明氏…米国で学んだ“理論的”な伝え方

 高校生でも150キロ超の球を投げるのが珍しくなくなってきた現代野球において、投手の球速アップはもはや必須事項だ。米国でプレーしていた24歳の頃に151キロを計測した松本憲明さんは、愛知県名古屋市で球速アップに特化した米国式野球アカデミー「Be an Elite」を運営している。Full-Countでは、全国の注目野球塾の指導方針やこだわりの練習法などを取材。松本さんに、「米国式」たるゆえんを聞いた。

 松本さんは日本の独立リーグや米国でプレーしたのち、2019年に「Be an Elite」を開校。現在は小学校高学年から大学生まで、各カテゴリー約60人が在籍しており、中日をはじめとするNPB球団の投手も足しげく通っている。長いスパンで指導するプログラムを用意しているが、短期間で見ても塾生全体で1か月平均3.6キロ、1年平均10.8キロの球速アップに成功しているという。

「Be an Elite」の最大の特徴は、「米国式」の指導を行っている点だ。松本さんは2017年に独立リーグの徳島インディゴソックスを退団後、3度米国に渡り、マイアミ、アリゾナ、ロサンゼルスのアカデミーでMLBを目指してプレーしていた。アカデミーで指導を受ける中で、元々140キロ台前半だった球速が151キロまでアップ。米国で学んだ練習法や投球理論を日本に持ち帰り、次世代に伝授している。

 例えば投球フォームを固める際は、「動作分析」に重きを置く。投球の様子をiPadで撮影し、分析ソフトウェア「ダートフィッシュ」で動作を可視化した上で、書き込みをしながら具体的に改善点を指摘する。松本さんは「いまだに感覚だけで教えるピッチングコーチも多いと思うんですけど、感覚をもとに口で伝えると忘れたり、理解が深まらなかったりする。米国の指導者は動作を見ながら理論的に教えてくれたので、それを参考にしています」と話す。


「Be an Elite」を運営する松本憲明氏【写真:本人提供】

■「キャッチャー方向にいかに速く」…米国で聞いた日本と“真逆”の話

 松本さんはフォームを固めるのに最適な時期を、中学生年代だと考えている。小学生は身長や体重の変化が著しく、フォームを安定させるのが難しいからだ。小学生のうちは重いボールを真上に投げるなどの全身運動に重点的に取り組み、中学生になってからフォームを確立させる。

 また日本では高校生になってからウエートトレーニングに力を入れるのが主流だが、「Be an Elite」では怪我防止や、高校入学後すぐの活躍を見越し、中学生のうちから専門家の指導のもとウエートを行う。

 そして、球速アップを目指す投手に強く意識させているのが、「並進運動」の速さ。「日本では溜めとか粘りを意識してゆっくり投げるよう教わったんですが、米国では足を上げて着地するまでの横移動の速さが大事だという真逆の話をされました。単純に助走をつけて投げると速い球を投げられるように、キャッチャー方向にいかに速く移動できるかが大事だと」。これが、現役時代に重要性を実感し、指導経験を積む中で確立した、球速アップの根幹を担う投球理論となっている。

 こうした指導方針や練習メニューは、8月5日から5夜連続で開催するオンラインイベント「少年野球個人練習EXPO」でも詳しく紹介予定。イベントには松本さんの他にも、全国各地の野球塾の指導法が登場する。(川浪康太郎 / Kotaro Kawanami)

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