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NPB復帰ゼロは「実力足りていない」 2軍球団監督が明かす現状…元最高勝率右腕の課題

Full-Count / 2024年8月8日 7時20分

オイシックス・薮田和樹【写真:町田利衣】

■オイシックスは薮田、高山ら加入も7月いっぱいの期限でのNPB復帰ならず

 NPBは7月31日をもって新規選手契約可能期間が終了した。今季からオイシックス新潟、くふうハヤテが2軍に参入し、元NPB戦士が復帰を目指して多く加入したが、吉報はゼロに終わった。オイシックスの橋上秀樹監督は「うちの選手で言えば、復帰するには数字があまりに物足りないというのが1つです」と現状を語った。

 オイシックスには今季から、投手では薮田和樹(元広島)、三上朋也(元DeNA、巨人)、小林慶祐(元オリックス、阪神)ら、野手では高山俊(元阪神)、陽岱鋼(元日本ハム、巨人)、中山翔太(元ヤクルト)、田中俊太(元巨人、DeNA)ら実力者が参戦した。

 しかし規定打席到達者で、元新人王の高山がリーグ9位の打率.265、田中が同13位の.255、中山が同19位の.241(数字は全て5日時点)だった。「うちからNPBに復帰する場合、ドラフトにかかる選手のように可能性や将来性を考えながらではない。現状で1軍で戦力になるかどうかのハードルで見られるから、なかなかそこをクリアできなかった。単純に実力が足りていないっていうのは正直思いますね」。現役時代にヤクルトなどでプレーし、指導者としても巨人や楽天などで豊富な経験を持つ指揮官は話す。

 投手では薮田が19試合に登板して同4位の防御率2.93。2017年に最高勝率のタイトルを獲得した右腕は、編成担当がしばしば視察に訪れるなど最も注目を集めていたともいえる。しかし7日に32歳を迎えた右腕が復帰を果たすことはなかった。

「持っているもの1つずつに関していえば十分まだNPBでも放れるなっていうのがあるんですけど、いろいろな要因がある中でやはり制球力っていうところが、NPBのレベルを考えるとちょっと手を出しづらいところだったのかなと。年齢とか持っている球、ポテンシャルみたいなものを考えれば、まだまだ制球が安定すれば復帰する可能性は十分にあると思います」

 橋上監督が指摘したように、107回1/3とフル回転も62四球を与え、8暴投を記録している。1軍の即戦力ローテーションとして獲得するには、求められるものは多いだろう。ある程度優先的に起用されていたこれまでとは違い、今後はドラフト対象選手へのチャンスが多く与えられることになる。

 とはいえ、これですべてが終わったわけではない。最初の目標だった「7月までに」は潰えたが、狭き門である“NPB返り咲き”へ、戦いはまだ続いていく。(町田利衣 / Rie Machida)

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