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168センチの8番打者が快挙「本当かな?」 甲子園騒然…19戦目にようやく出た“快音”

Full-Count / 2024年8月13日 8時30分

本塁打を放った東海大相模・柴田元気【写真:加治屋友輝】

■大会第6日、通算19試合目でようやく…今春の選抜はわずか3本塁打

 大会第1号を打ったのは、身長168センチの8番打者だった。第106回全国高校野球選手権大会は12日、甲子園球場で2回戦4試合が行われ、第2試合では東海大相模(神奈川)が富山商に4-0で完封勝ちし、初戦を突破した。「8番・二塁」で出場した柴田元気内野手(2年)が大会第1号本塁打のソロを放った。大会第6日、通算19試合目にようやく飛び出した1発だった。今年から金属バットに低反発の新基準が設けられた影響で、春の選抜大会で記録された本塁打はわずか3本(うち1本はランニングホームラン)だった。

 今大会は1本もホームランが出ないまま終わるのではないか……そんな雰囲気さえ漂い始めていた。2-0とリードし、8回1死走者なし。左打席に立った柴田は富山商3番手の右腕・森亮太投手(3年)に対しカウント1-0から、2球目の135キロの内角ストレートをとらえた。「感触はほとんどありませんでした。これまでホームランを打った時もそうだったので、多分、真芯で捉えたのだと思います」と柴田が語る打球は、軽々と右翼フェンスを越えていった。

 夢見心地でダイヤモンドを回る。「まさか自分が甲子園でホームランを打てるとは思っていなかったので、喜びというより驚きでいっぱいでした。『本当かな?』と思いました」となかなか興奮が冷めない。「チームメートもみんな『おまえが?』と驚いていました」と苦笑した。

 前日の午後8時過ぎ、素振りをしながら、同じ2年生で4番を務める金本貫汰内野手に「おまえ、明日(本塁打を)打ちそうだな」と話しかけたという。金本は「(甲子園で打席に)立ってみないとわからないよ」と返したそうだが、まさか予言した本人がスタンドに放り込むとは、誰も思い描いていなかった。

 ベンチプレス、スクワット、デッドリフトなどウエートトレを積極的に取り入れているとあって、背は高くなくても筋骨隆々で、がっちりとした印象を受ける。高校通算本塁打も16本に上るが、決して長距離打者ではない。当初は1、2番としての役割を期待されていたが、打撃不振で8番に下がっていた。

■「両親は別の名前を付けるつもりでしたが、姉に変えられました」

 試合後、報道陣から「低反発の金属バットで本塁打を打つ秘訣は?」と聞かれると、照れながら「ライナー性の打球を打った時の方が、伸びる気がします」と見解を述べた。「チーム全体で“低く強い打球を打つ”意識を徹底してきました。これからも勘違いせず、自分らしく野手の間を抜く打球を心がけていきたいです」と自戒した。

 長谷川将也コーチは「柴田は積極的で気持ちが強い。人として“勢い”を感じさせます。そういう意味でもやはり、本来の1、2番を打ってほしい選手です」と指摘していた。

 柴田に「元気」という名前の由来を聞くと、「本当は、両親は『りゅうが』という名前を付けるつもりだったそうですが、5歳上の姉(芽衣さん)が『めちゃめちゃ元気だから、名前も元気がいい』と主張して、それが通ったそうです」と明かした。「自分はチームで人一倍声を出すことを心掛けていますし、今の名前でよかったと思っています」と満面に笑みを浮かべる。“名は体を表す”とはこのことだ。(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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