なぜ西武は山川穂高に3発を浴びたのか 因縁対決で屈辱…監督代行「検証しなければ」
Full-Count / 2024年8月16日 8時0分
■「調子のいいバッターに対して安易な入り方をして1発で仕留められた」
■ソフトバンク 9ー2 西武(15日・ベルーナドーム)
パ・リーグ最下位の西武は15日、本拠地・ベルーナドームで首位ソフトバンクに2-9で敗戦。昨年まで在籍していた山川穂高内野手に1試合3本塁打を献上した。山川の1試合3発は、西武時代の2017年8月2日・楽天戦以来7年ぶりで自身2度目だった。
試合前の時点では、西武は今季山川に対し、4月13日の対戦(ベルーナドーム)で満塁本塁打2発を浴びたものの、対戦打率.211(71打数15安打)で、パ・リーグ5球団で最も抑えていた。しかし、この日は様相が違った。渡辺久信GM兼監督代行は、非常に険しい表情で戦況を見守っていた。昨年オフ、山川の国内FA権行使と移籍をめぐっては、GMとして交渉の当事者を務めていただけに、なおさら複雑な思いだっただろう。
「(対策を)徹底できなかったということはないです。ちゃんとやっていますから。ただ、調子のいいバッターに対して安易な入り方をして、1発で仕留められたということです。今後バッテリーでしっかり反省を踏まえて、検証もしながらやっていかなければならないと思います」。渡辺GM兼監督代行は試合後の会見で、重い口を開いた。確かに、山川は8月に入ってから月間打率.375の猛打を振るっており、打撃自体の調子が上がっていたことも事実だ。
まず初回、西武先発のサブマリン・與座海人投手が2死を奪いながら3番の柳町達外野手を四球で歩かせ、続く山川に初球を左翼席上段へ運ばれた。先制24号2ラン。古賀悠斗捕手は中腰になって高めのボール球を要求していたが、実際の投球はそれより低く甘いコースに来た。
渡辺GM兼監督代行は「入りの高めの球で、(捕手が)真ん中高めに構えていた。相手の調子がいいのはわかっているのだから、細心の注意を払わないといけない。まずホームランにならない配球をしないと」と苦言を呈した。
■ソフトバンクを上回る11安打を放つもスコアは2-9
2-4とリードされて迎えた4回1死二塁では、2番手のドラフト2位ルーキー・上田大河投手が対戦。初球に、内角の144キロのストレートを捉えられ、打球は左翼フェンスをギリギリ越えた。與座と上田に共通していたのは、本塁打されたのが山川との初対戦の打席だったということだった。
7回には、4番手の来日1年目左腕ジェフリー・ヤン投手がやられた。こちらは通算2打席目の対戦。1死二塁で打席に迎え、初球からスライダーを3球続けてカウント1-2と追い込んだが、4球目のチェンジアップがワンバウンドの暴投となり、走者を三塁に進めてしまう。直後、5球目のスライダーがやや高めに浮き左翼席へ放り込まれた。これで、西武が山川に打たれた本塁打は7本、対戦打率は.237となった。
また、西武打線はこの日11安打を放ち、ソフトバンクの10安打を上回ったが、スコアは2-9の完敗だった。渡辺GM兼監督代行は「相手はホームラン4本が全てランナーを置いてだから、得点がたくさん入るに決まっている。うちはヒットが出ても、最終的になかなか得点につながらなかった。わかりやすいゲームです」と語気を強め、会見を終えた。ソフトバンクの得点の内訳は、山川の2ラン3本と柳町の2ラン、それに柳町の適時二塁打。一方、西武は2回の蛭間拓哉外野手の左犠飛と3回の古賀の3号ソロによるものだった。
ソフトバンクが今季12球団最多のチーム82本塁打を誇っているのに対し、西武は毎年のようにスラッガータイプの選手がFAで流出していることもあって、約半数にあたるリーグワーストの42本塁打。破壊力の差がそのままスコアに表れた格好だ。
ソフトバンクとの今季対戦成績は5勝15敗となり、西武のホームゲーム分は終了。あとは敵地みずほPayPayドームでの5試合を残すのみとなった。意地でも、獅子の爪痕を残さず終わるわけにはいかない。(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)
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