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“ハイリスク”な盗塁の成功率を高める極意 専門家が重視する「割合」と「足の位置」

Full-Count / 2024年9月6日 7時5分

盗塁成功率を高めるリードの取り方とは(写真はイメージ)

■盗塁王指導の安福一貴氏「技術を高めれば必ず盗塁は上手くなる」

 盗塁は得点圏に走者を進めることを目的とするが、一気にチャンスを失う可能性もあるため「ハイリスク・ローリターン」の戦術としてとらえられている。ただ、成功率を上げれば“一芸”として評価され、出場機会は増える可能も……。西武で4年連続盗塁王に輝いた片岡易之(当時、現・保幸)さんをサポートしたプロトレーナーの安福一貴さんは、「技術を高めれば必ず盗塁は上手くなる」と力説する。

 盗塁の成功率を上げるためには個々の脚力も必要だが、安福さんは「スタート、スピード、スライディングの“3S”が絶対的な基本」と、三分割にして考えるという。アウトになってはいけないプレッシャー、緊張感がある中でいかに成功させるかが重要になる。

 リードをとった際に最も気を付けるポイントは、牽制でアウトにならないこと。左足と右足の体重を乗せる割合を7:3とし、帰塁の意識を高めておく。スタートへの意識が強すぎると、逆を突かれた際にアウトになる危険性が高まってしまう。「まずは帰塁が大前提。アウトにならない位置を覚えることです。絶対に牽制でアウトにならないという安心感がないと、いいスタートは切れません」。

 さらにここで重要なのが、右足を1足分後ろに置き、体をやや開いて立つことだ。「体は投手方向に向いていますが、走る方向は逆(右方向)です。右足を1足分後ろに置くことで(右にターンする際の)腰の幅が確保でき、スムーズなスタートを切ることができます」

 そして、成功の鍵を握るスタートについて、安福さんは、右足を一旦、体の中心軸の真下に引いてからスタートを切る方法を推奨している。引いた右足を軸にターンし、左足から踏み出していくイメージだ。1歩引くことで距離的にはマイナスに見えるが、出力の出し方や体重移動を考えればプラスになるという。


プロトレーナーの安福一貴氏【写真:伊藤賢汰】

■スライディングは様々なケースを想定…実戦の引き出しを増やす

「重心をゼロから前(右方向)に移動させようとすると、実は最も力を使います。よって、一度後ろ(左方向)に振ってから前に出ようとするのですが、それだとロスが生まれます。重心移動で余計なエネルギーは使いたくない。そこで、右足を体の真下に一度引くことによって、(ゼロから右方向へ)力むことなくスタートを切ることができます」

 スライディングはなるべくベースから近い距離が理想だが、怪我のリスクも上がるため、感覚をつかむための反復練習が必要だ。利き足でのスライディングだけでなく逆足でスライディングしたり、本塁クロスプレーの練習として必ず右手でベースを触るなど、様々なケースで制限をつけることで実戦での引き出しは増えていくという。

「イチロー選手や川崎(宗則)選手の“神の手”と言われたスライディングは、トッププロの技術の1つです。アマチュアが試合のなかで急にやろうとすると、怪我につながる可能性が高い。自分のなかでアレンジをしながら体の使い方に変化を与え、練習では“遊び感覚”から試していくのもいいと思います」

 現在も多くのプロアスリートをサポートする安福さんは、「盗塁は技術」と断言する。片岡さんと共に独自の理論でタイトルを獲った実績からも、その思いが揺らぐことはないという。

 もちろん、一定の走力は必要になるが「成功率を上げるポイントは、たくさんあります。子どもたちには、どんどんチャレンジしてもらいたい」とエールを送っている。(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)

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