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DeNAでの稼ぎはもう「マイナスです」 退路断ち目指す医師…危惧する“裏技への欲求”

Full-Count / 2024年9月7日 7時50分

医師を目指す元DeNAの寺田光輝氏【写真:宮脇広久】

■元DeNA右腕・寺田光輝さんが取り組む、医大生と野球指導者の“二刀流”

 2018、2019年にDeNAで投手としてプレーした寺田光輝さんは現在、32歳にして東海大医学部生として勉強している。選手として現役引退後、29歳で2021年10月に編入。日本で元プロ野球選手が医師となれば前代未聞の快挙となるが、どんな学生生活を過ごしているのだろうか。

 筑波大、BCリーグ・石川を経て、2017年にDeNAからドラフト6位指名を受け入団した寺田さん。契約金2500万円、年俸600万円(金額は推定)で契約し2年間プレーした(1軍登板なし)。現役中に散財することはなかったが、いまや「私立の医学部は学費が高いので、マイナスです。4か所から奨学金を借りています」と言う。「留年なんかしたら、奨学金は1発で打ち切られてしまいます。“退路”がない状況なので、良い意味でプレッシャーにもなっています」と決意を明かす。

 生計は主に子ども向けの野球指導や、講演で立てている。古巣のDeNAが運営するベースボールスクール、日本テレビが運営する「ドリームコーチング」、また、AI動画解析アプリ「Force Sence」での投球指導も担当する。これは、投球フォームや打撃フォームを動画撮影すると、投球では球速、リリースの高さ、肘と膝の角度などをその場で解析できるもので、寺田さんはSNSを通じて動画を送ってもらい、アプリと連動させながらマンツーマン指導を行っているという。

「こうしたサービスの長所の1つは、動画や数値を見ながら客観的、正確に伝えることができるところ。教える側も経験論や感覚で話さなくていい。小学生にもわかりやすいですし、近くに大人がいて、かみ砕いて伝えもらえる環境があれば、なおさら効果的だと思います」と語る。


DeNA時代の寺田氏【写真:本人提供】

■ネット普及で“つながり”生まれるも…全ては「突き詰めないと上達しない」

 インターネットの普及で、野球の指導を受けるにも選択肢が多種多様になった。「僕の子どもの頃は、元プロ野球選手とつながろうにも、つながる術がなかったですから、うらやましいですよ」と笑う。

 一方、警鐘を鳴らしたい部分もあるという。1つは「情報がたくさんあり過ぎる」こと。「いろいろ試してみることも大事ですが、1つのやり方を何年もかけて継続していくことも大事だと強調したいです」。

 もう1つは、動画サイトなどで「○週間で○キロ球速アップ」といったタイトルやサムネイルが目立つことの影響だ。「安易な方法はありません。何事も突き詰めていかないと、上達はできません。最近の子どもたちは、すぐに“裏技”的なやり方を求める子が多い気がして、心配しています」と寺田さんは表情を曇らせる。

 1人の医学生として勉強しながら、野球指導者としても真摯に取り組む寺田さん。忙しい日々を送りつつ、生き生きと“二刀流”をこなしている。(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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