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巨人からトレード加入した29歳の胸中 2軍調整続くも…衰えぬ闘志「やはり楽しい」

Full-Count / 2024年9月8日 7時10分

西武・松原聖弥【写真:矢口亨】

■今季途中に巨人からトレードで加入「野球はやはり楽しい」

 今季途中に巨人からトレードで西武に移籍した松原聖弥外野手。当初は1軍で起用されたが、24試合で打率.123(65打数8安打)と振るわず、8月13日以降2軍での調整が続いている。それでも29歳の闘志に衰えは一切ない。高校ではベンチ外、大学では4年間2部リーグでプレーし、プロでも育成選手の立場から這い上がった経緯があるだけに、野球への愛情と執念は筋金入りだ。

「“腐る”ということが、僕にはよくわからないのですよ。2軍でも1軍でも、野球はやはり楽しいので」。2軍本拠地のCAR3219(カーミニーク)フィールドで、松原はあっけらかんと言い切った。

 今のところ、足かけ8年に及ぶ松原のプロ生活のピークと言えば、巨人時代の2021年だ。育成出身として球団初の規定打席に到達し、135試合で打率.274、12本塁打37打点15盗塁。“巨人生え抜き”では歴代最多の27試合連続安打も記録した。シーズンオフには、同年限りで現役を引退した亀井善行氏(現巨人外野守備走塁コーチ)から背番号「9」を継承し、前途洋々に見えた。

 ところが翌2022年、グレゴリー・ポランコ外野手(現ロッテ)とアダム・ウォーカー外野手(現ソフトバンク)が加入し競争が激化。1軍での出場試合数は同年が50試合、翌2023年が21試合と減少の一途をたどる。「もう1度レギュラーの座を取り返す」との決意で臨んだ今季は、オープン戦で打率.320(25打数8安打)と活躍。開幕1軍を勝ち取ったが、9試合で打率.154(13打数2安打)と結果を出せず、4月15日に2軍落ちとなり、トレードに至った。

 しかし松原は「外国人選手が来てチャンスが少なくなったのも事実ですが、そもそも自分自身の結果が出ていなかった。課題を追いかける中で、自分の良さみたいな部分を消してしまったというのは、あったかなと思います」と率直に反省する。

■昨年は侍ジャパン宮崎合宿にサポートメンバーとして参加

 出場機会に恵まれない年が続いても、「腐る」ことがないのはなぜだろう。「高校時代にベンチ外であったり、そういう部分が大きいのかなと思います」というのが松原の自己分析だ。

 大阪府出身で、高校は宮城の名門・仙台育英高に進むも悪戦苦闘。公式戦で登録されたのは2年の秋だけで、3年の夏にチームは甲子園出場を果たしたが、松原自身はベンチに入れず、スタンドで大太鼓を叩きながら声援を送った。明星大では4年間、首都大学リーグの2部にとどまり目立たなかった。

 2016年の育成ドラフト5位で巨人入りし、2軍どころか専ら3軍で実戦経験を重ねるしかなかった1年目から、1軍レギュラーの座まで這い上がった裏には、並々ならぬ努力があったはず。それでも、高校時代も、2軍でくすぶることの多かった一昨年、昨年の2年間も、そして今も「野球が好きだし、楽しい」という思いに変わりはないと松原は言う。

 昨年2月には、第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)を控えた野球日本代表「侍ジャパン」の宮崎合宿に、サポートメンバーとして参加するという貴重な経験もした。大谷翔平投手(当時エンゼルス)の合流前ではあったが、当代きってのヒットメーカーであるソフトバンク・近藤健介外野手と話す機会を得た。「一緒に食事もさせていただきましたが、バットの軌道など、間近で見て学ぶことが多かったです」と振り返る。

 2軍戦で出場していない時にも、ベンチの最前列に陣取りチームメートに声援を送ったり、チェンジのたびにベンチ前へ出てタッチで迎えたりと、手を抜くところが一切見えない松原。「別に意識してやっていることではなく、癖みたいなものです」と笑う。どんな状況でも変わらず野球を楽しむ好漢に、早く1軍へ戻ってきてほしい。(倉林知子 / Tomoko Kurabayashi)

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