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巨人・オコエの劇弾が生まれた理由 「なぜ?」突然の失投…専門家が指摘した現象

Full-Count / 2024年9月8日 7時25分

サヨナラ2号ソロを放った巨人・オコエ瑠偉【写真:矢口亨】

■延長12回2死走者なし、引き分け決着直前に初球を一閃

■巨人 3ー2 DeNA(7日・東京ドーム)

 巨人は7日、本拠地・東京ドームで行われたDeNA戦で、2-2の同点で迎えた延長12回にオコエ瑠偉外野手がサヨナラ2号ソロ。大混戦の優勝争いが続く中で貴重な勝利をもぎ取り、首位を堅持した。誰も予想できなかったオコエの劇的弾は、なぜ生まれたのだろうか――。

 その瞬間、DeNAの8番手、佐々木千隼投手は「まさか」という驚愕の表情で、打球が左翼席に飛び込むのを見送り、マウンドに膝をついたまましばらく動けなくなった。延長12回2死走者なしで、引き分け決着直前。山本祐大捕手は外角低めに構えたが、初球の141キロのストレートは吸い込まれるように真ん中へ。オコエはこれを逃さなかった。

「“エアポケット”に入ったとしか言いようがありません。11回から登板していた佐々木はそれまで、間違いを起こさないように非常に丁寧に投げていました。ところが、あの1球だけ間違った球が行ってしまった。ベイスターズのベンチも、本人も、まさかあんな所にボールが行くとは思っていなかったはず。あと1人となって、つい気が緩んだのかもしれません」。こう論評するのは、現役時代に通算2038安打の“安打製造機”、引退後は名コーチとして鳴らした野球評論家・新井宏昌氏だ。

 確かに、11回の頭から登板した佐々木は低めのスライダーやフォークで巧みに打ち取り、打者5人をパーフェクトに抑えていた。この日4安打していた吉川尚輝内野手も二ゴロに仕留め、残るはオコエ1人。むしろ、ネクストバッターズサークルの岡本和真内野手の方に気を取られたかもしれない。

 新井氏は「僕が南海(現ソフトバンク)、近鉄で現役だった頃、西武の黄金時代があって、味方投手が秋山(幸二氏)、清原(和博氏)、(オレステス・)デストラーデ(氏)の強力クリーンアップを抑えた後、6番の石毛(宏典氏)あたりに手痛い1発を食らうケースがよくありました」と回顧する。「守っているわれわれは『あの3人を抑えられたのに、なぜ?』と思ってしまうのですが、投手の人たちから『あの3人に気を遣うから、その後の打者まで集中力が続かない』と聞いたことがあります」と解説する。“エアポケット現象”は古今東西共通に起こるようだ。

■19残塁の拙攻…絶好機に坂本が、浅野が、岡本和が凡退

 一方、オコエの劇的な1発は、それまでの巨人の拙攻が生んだ面もある。この日実に19残塁。初回2死満塁では坂本勇人内野手が三ゴロ、3回1死満塁でも坂本が一邪飛、続く浅野翔吾外野手も空振り三振に倒れた。5回2死満塁でも浅野が空振り三振。8回2死二、三塁では4番の岡本和真内野手が空振り三振と、これでもかというくらい得点機を逸した。

「好機で主力打者に“固さ”が感じられたのは、これからの優勝争いを考えると気がかりです。ただ、うまく試合を運べなかったからこそ、成長途上の若手の驚くような活躍があったとも言えます」と新井氏。1点ビハインドの9回2死一、二塁では、28日ぶりに1軍昇格したばかりの22歳・中山礼都内野手が代打で同点適時打を放った。同じくこの日1軍昇格した24歳左腕・横川凱投手は、延長11回と12回の2イニングを堂々無失点に抑えた。

 巨人にとって反省点も残る試合ではあったが、ペナントレース大詰めにきて、実績のない若手の生き生きとした躍動ぶりは頼もしい限りだ。(Full-Count編集部)

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