「1ストライク取られると消極的に…」 切実な悩みに回答、分析プロの“打率高める”思考
Full-Count / 2024年9月10日 7時50分
■元プロ野球スコアラー・三井康浩氏が語る「根拠を持って振る」重要性
巨人や日本代表「侍ジャパン」でチーフスコアラーを務め、現在は学生からプロまで打撃指導を行う三井康浩氏が、中学生を対象にした野球講義を行った。「1ストライクをとられると消極的になってしまう」など選手たちから上がった質問に、“分析のプロ”三井氏が答えた内容とは……。
三井氏は、カウント別の打席での待ち方について講座を実施した。これまで漠然と打席に立っていたことを反省するかのように、子どもたちは思考を巡らせていた。選手からの質問と三井氏の回答を紹介したい。
(中学生)「1ストライクを取られると、どうしても消極的になってしまいます。ボール球に手を出さない方法はありますか?」
(三井氏)「コントロールの良い投手の場合、0ボール1ストライクのカウントでは、低めにストライクからボールになる変化球を2球続けてくるケースが多い。なぜかというと、同じ球を2球続けられるとバッターは振る傾向があるからです。投手としては1ボール2ストライクのカウントを作りたい」
「もしも2球目もストライクになり、0ボール2ストライクになってしまったら苦しくなってしまうから、積極的に2ストライク目も振っていく必要はあります。ただ、1ストライク目、2ストライク目は球種、高低・内外のコースは絞っていかないといけない。無闇に振っていくと、ボール球の変化球に手を出してしまいます」
元巨人スコアラー・三井康浩氏【写真:中戸川知世】
「質問にある『ボール球に手が出てしまう』というのではなく、根拠を持って振るのか、それとも、変化球が来ることが頭にない中で振るのか、では違うという考え方でいてほしい。そういう考えであるかどうかで、選手としての成長が変わります。追い込まれるまではゾーンをしっかり持って待つ。狙い球と大幅に違うものには手を出さない。あとはボールを先行させるように持っていき、打てる確率を上げていくことに努めていきましょう」
ボール球に手を出してしまうかもしれない不安ではなく、同じ2ストライクでも根拠を持って振っていたかが大切。そうすれば、次のボールの待ち方、考え方が変わる。消極的な姿勢では、何も打つための“材料”は得られない。分析のプロのように、目を凝らし、考えを巡らせて、打席での打つ確率を上げていってほしい。(楢崎豊 / Yutaka Narasaki)
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