巨人では「難しく感じた」 叔父に聞いたトレード報道…苦しんだ日ハムとの“違い”
Full-Count / 2024年9月10日 7時10分
■「どちらが良い悪いということではない」日本ハムと巨人の違いは
日本ハムでの4年間で102セーブを挙げ、日本一、リーグ連覇に貢献したマイケル中村氏は、4年目の2009年オフに巨人へとトレードされる。始まりはなんと、叔父からの連絡だった。
「新聞に僕のトレードのうわさが出ていたみたいで、叔父から『マイケルがトレードされるって本当?』と連絡がありました。その時点で何も知らなかったので、チーム内で確認しようにも、誰も何も教えてくれない。結局、実際にトレードされるまで何も聞かされませんでした」
新天地では、3年間で73試合の登板。日本ハム時代の通算198試合に比べると、1軍での登板機会は半減した。「ファイターズでは1年目にセットアッパー、2年目からはクローザーと、役割が固定されていた。一方、ジャイアンツでは自分自身を含め、投手それぞれの役割が変更されることが多かった。その時その時に与えられた役割をこなさなければならないという意味では、難しく感じたのは確かです」と、2チームの違いを語る。
しかし、気持ちの面では切り替えることを心がけていたという。「自分のようなリリーフ投手の役割は、必要とされる場面で投げて、相手の攻撃を封じること。どんな場面でも起用に応える投球をしようと、自分自身の心構えを適応させていくしかないと考えていました」。
日々の調整方法も両チームでは異なっていたが、それを受け入れることはできていた。「ファイターズはどちらかというと、自分のやりたい調整やトレーニングをさせてくれていた。そのため、体調の良いときはトレーニングを増やして強化したり、逆に疲れがたまっている時は減らして体を休めることができていた」。日本ハムの“放任主義”が、中村氏にはフィットしていた。
■巨人は「メニューがある程度決められていた」
「一方で僕が在籍していた頃のジャイアンツは、日々のトレーニングのメニューがある程度決められていた。これは良い悪いということではなく、チームそれぞれの方針の違いだと思います。実際、ジャイアンツに移籍した時の自分はそれなりに実績もあって、年齢も32歳だったので、ベテランとして扱ってもらい、チームにもよくしてもらっていました」
それでも、やはり少しの違いが投球に影響したのだろうか。巨人1年目は29試合に登板して防御率6.18。日本ハムでの4年間はいずれも防御率2点台前半だったことを考えると、かなり苦労していたのは確かだ。巨人2年目は、37試合に登板して防御率1.93と輝きを取り戻したが、翌年はわずか7試合の登板に留まり、オフに戦力外通告を受けた。
「もちろん、悔しさもあったし、成績を残せないことで自分自身へのふがいなさも感じていた」。トレードされていなかったら、どうなっていただろうと考えてしまうこともあった。「でも家族や友人からの励ましもあったし、身体も元気で故障していたわけではなかったので、まだまだやれるはずだ、という気持ちはありましたね」。
巨人での3年目は、2軍で42試合に登板し、防御率1.55である。一般的に見て、登板機会さえあればまだまだ活躍が期待できる成績だと言える。投げられるのに1軍に呼ばれない日々が続いていたが、それでもあきらめずにプレーを続けていたのは、NPBが“長年の夢”だったからだった。(伊村弘真 / Hiromasa Imura)
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