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大谷翔平は「ボルトを思い出す」 敵軍捕手は驚愕の証言…イチロー超え57盗塁の秘訣

Full-Count / 2024年9月28日 15時42分

ロッキーズ戦に出場したドジャース・大谷翔平【写真:Getty Images】

■日本人最多を更新するシーズン57盗塁、イチローの記録を塗り替えた

【MLB】ドジャース 11ー4 ロッキーズ(日本時間28日・デンバー)

 ドジャースの大谷翔平投手は27日(日本時間28日)、本拠地・パドレス戦で日本人最多を更新するシーズン57盗塁をマークした。2001年にイチロー(マリナーズ)が記録した56盗塁を塗り替える新記録。昨季までは2021年の26盗塁が自己最多だったが、今季は2倍以上に成績を伸ばした。

 快記録の裏側には何があったのか。まずは今季、打者に専念したことが大きい。昨年9月に右肘を手術し、2月のスプリングトレーニングから最新機器「1080スプリント」を利用して負荷をかけてダッシュ。データを取りながら走力強化を図った。元ブルワーズ監督で大谷の走塁強化に携わったロン・レネキーGM特別補佐は、ブルペン投球など投手としての練習がなかった分、精力的に取り組めたと明かす。

「やはり今シーズンは投手として投げていないことが挙げられます。走塁にかなりの力を注いでいた。彼が初めてここに来た時、素晴らしい走力の持ち主であることは知ってましたが……。その足を使って、違いを生み出しています」

 とことんスタートにこだわった。まずはリードの取り方。右足を半足ほど後ろに引き、二塁へ向かってオープンスタンスに。より一歩目のスタートを切りやすくした。オープン戦では右足を一足ほど後ろに引くなど試した上で、半足ほど右足を後ろに引くリードの取り方が決めたという。レネキー氏はこう解説する。

「テークオフがスッキリしましたね。無駄な動きがなくなった。(走る時に)足があるべき場所、つまり次の塁に向かって直線上にある。(走り姿は)とてもキレイです」

■相手投手のクイックや牽制、研究にも時間を割く「投手のモーションを盗もうとしています」

 一歩目のスタートには頭脳も加わっている。試合前はクレイトン・マッカロー一塁コーチとタブレット端末をにらめっこ。相手投手のクイックや牽制、相手捕手の肩の強さ……。メジャー経験の少ない投手にはストップウォッチを使って、捕手の捕球までのタイムを計測。0.1秒単位で盗塁できるか、できないかを判断するという。

「クレイトン(マッカロー一塁コーチ)と投手のモーションを盗もうとしています。いつ足を高く上げるとかまで。よく研究をしています。素晴らしい仕事ぶりですね」

 相手バッテリーからはどう見えるのか。この日、57盗塁を許したロッキーズのジェイコブ・スタリングス捕手の脳裏には、100メートルの世界記録保持者(9秒58)ウサイン・ボルトが思い浮かんだという。大谷は身長195センチ、94キロのボルトとほぼ同じ体格(身長193センチ、体重95キロ)。ボルトの走りを見るのが好きだったという34歳のベテランには、2人が重なって見えたようだ。

「ショウヘイはウサイン・ボルトを思い出させるね。2人とも体が大きいし、(一歩一歩の)ストライドも大きい。ボルトの走りを見るのが好きでね。なんとなく思い出させるよね」

 前半戦94試合で23盗塁だったが、後半戦63試合で34盗塁。後半戦だけならシーズン87盗塁ペースとなる。昨年9月の右肘手術のリハビリも順調に進んでおり、来季は開幕から二刀流復活が期待される。レネキー氏も「もう50盗塁は望めないかもしれない」と語ったが、盗塁技術を身につけた今、何が起きても不思議ではない。(小谷真弥 / Masaya Kotani)

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