単独首位→月間20敗…広島は「勝つ術がなくなった」 元コーチが分析した“落とし穴”
Full-Count / 2024年10月5日 7時30分
■2013~15年の3年間1軍打撃コーチを務めた新井宏昌氏
広島は今季、8月終了時点で勝率.600(61勝48敗5分)で単独首位を走っていたが、9月に月間5勝20敗(勝率.200)の大失速。結局4位が確定し、クライマックスシリーズ(CS)進出はならなかった。現役時代に通算2038安打をマークし、2013年から2015年までの3年間は広島1軍打撃コーチを務めた新井宏昌氏が分析し、来季のリーグ優勝へ近づくためのポイントを指摘する。
「失速の要因は第一に、投手陣が9月に入ってから、そろって調子を落としたことでしょうね。もともと得点力はあまり高くないチームですから、勝つ術がなくなりました」と新井氏。確かに、8月終了時点で6勝3敗、防御率1.31をマークしていた大瀬良大地投手が、9月は月間4試合0勝3敗、防御率5.31。10勝5敗だった森下暢仁投手も5試合0勝5敗で防御率6.92。11勝5敗だった床田寛樹投手も4試合0勝3敗で防御率5.14と歯止めが効かなかった。8月まで必死に踏ん張っていた投手陣に、猛暑が少し和らいできた頃、一気に疲労が噴出したのだろうか。
9月の広島で象徴的だったのは、11日に本拠地マツダスタジアムで行われた巨人との首位攻防戦だ。2-0とリードして迎えた9回、それまで防御率0.88を誇っていた絶対的守護神・栗林良吏投手が、1死も取れないまま2安打4四死球6失点でKO。リリーフした2投手も打たれて、この回一挙9点を失い、逆転負けを喫した。
新井氏は「あの日の栗林に何が起こっていたのかは分かりませんが、彼の力量からすれば、多少の調子の波はあるにせよ、とても考えられない投球でした」とした上で、「そもそも8月まで広島が首位を走っていたこと自体、戦力から見て、開幕前には予想できなかった快進撃です。必死に頑張ってきたものが、あの試合のショックで挫けてしまった印象があります」とショックの大きさを表現する。
■期待外れに終わった新外国人、指導陣は全員右打者
総じて決して高くなかった開幕前の下馬評を覆し、優勝を狙えるところまで白星を重ねた広島。来季もうひと伸びして栄冠をつかむには、どうしたらいいのだろう。「何よりも打線の強化でしょうね。外国人選手の補強も不可欠だと思います」。打線の中軸として期待され、今季チームに加わった新外国人ジェイク・シャイナー外野手は12試合出場、打率.133(30打数4安打)、1本塁打。マット・レイノルズ内野手に至っては2試合4打数ノーヒットで、全く戦力にならずじまいだった。
また、新井氏は打線強化のために、“陰”のポイントを指摘する。「現在の広島打線の顔ぶれを見ると、左打者にいい選手が多く、彼らが打たないと勝てないと思います。しかし、1軍に左打者の特性、特長を分かっていて、的確に指導してあげられる人がいるのか、疑問です」。今季の1軍首脳陣では、朝山東洋打撃コーチ、小窪哲也打撃コーチ、さらに新井貴浩監督を含めても、全員が現役時代右打者だった。
広島には今季主力を張った選手の他にも、田村俊介外野手、韮澤雄也内野手、林晃汰内野手ら、将来性を感じさせる左打者が頭角を現しつつある。こうした選手たちが、来季のカープ躍進の鍵を握っているのかもしれない。(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
広島 史上初の屈辱…9月首位から4位 堂林は責任痛感「僕たちの力が足りなかった」
スポニチアネックス / 2024年10月3日 5時2分
-
貧打広島が今オフ異例のFA参戦へ…狙うは地元出身の安打製造機 歴史的失速でチーム内外から「補強して」
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年10月2日 11時41分
-
【広島】9月にまさかの大失速 疲れ見える投手陣、迫力不足の打線...このままでは「CS進出」危ういか
J-CASTニュース / 2024年9月20日 16時11分
-
9回に衝撃9得点…巨人に訪れた“決め手” 専門家が指摘した大きな1勝「分水嶺かも」
Full-Count / 2024年9月13日 14時22分
-
NPBの“投高打低”は「パワー重視の影響」 異常事態に専門家が警鐘「両立は難しい」
Full-Count / 2024年9月8日 10時57分
ランキング
-
1初回3失点も「特別なことは…」 ド軍勝率0%を跳ね返した大谷翔平の“鬼メンタル”
Full-Count / 2024年10月6日 19時12分
-
2凱旋門賞、日本競馬の悲願叶わず シンエンペラーは12着、武豊騎乗アルリファーは11着…優勝は2番人気ブルーストッキング
THE ANSWER / 2024年10月6日 23時25分
-
3「体がクソ雑魚すぎる」 渡辺雄太が開幕2戦目で左足首負傷し離脱濃厚
スポーツ報知 / 2024年10月7日 6時15分
-
4履正社が延長の末に近大付を下し4年ぶり近畿大会出場決定 決勝は大阪桐蔭と対戦
スポニチアネックス / 2024年10月7日 6時3分
-
5オリックス・中嶋聡監督の電撃退任表明にファンも激震「えぇっ…!」「嘘だろ涙」「今年は仕方ないだろ…」
スポニチアネックス / 2024年10月6日 22時23分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください