どん底経験で辛辣ヤジ「僕らのせいだけにしないで」 思わず本音も…暗黒時代の苦悩
Full-Count / 2024年10月3日 7時10分
■石川雄洋氏は横浜で「暗黒時代」と呼ばれた時期を過ごした
DeNAの初代主将を務め、ベイスターズ一筋で16年間プレーした石川雄洋氏は「暗黒時代」と呼ばれ、チームが下位に低迷した時期を経験した。Full-Countのインタビューでは当時を振り返り「正直、きつかった」などと胸中を明かした。
入団1年目の2005年こそ3位だったが、横浜は2006年から球団名がDeNAとなった2012年までの7年間で5年連続を含む6度の最下位、4位が1度。90敗以上も3度経験しており、ファンからは「暗黒時代」と言われた。
「正直、きつかったです。ただ、僕が入る前からもはや暗黒時代に入っていたようなものでした。90敗以上のシーズンは前からあったし、もっといえば大洋のときだって低迷している時期はあったわけですから。俺らのせいだけにしないでよ、という気持ちもありました」
「マシンガン打線」が球界を席巻して日本一となった1998年の前後は上位にいたものの、2002年から石川氏がドラフト会議で指名された2004年までは3年連続で最下位。1990年前半もほぼBクラスだった。さらに球団史を遡れば6年連続で最下位だった時期もある。
順位が上がらないと当然ながら観客も少なかった。「(出身校の)横浜高校の試合の方が入っているんじゃないか、という時もありました。ヤジも多かったので、ビジターの方が楽だった時期もありました」。
元DeNA・石川雄洋氏【写真:湯浅大】
■心なきヤジ「一部の人だと思うんですけど、つらかった」
本拠地、横浜スタジアムのホーム球団サイドでもある一塁側のスタンドからも心無い言葉が飛んできたという。「普通にプレーしているのに『何やっとんねん!』みたいに言われたこともありました。本当に一部の人だと思うんですけど、つらかったです。僕らが勝てなかったことは悪かったとは思いますけど……」。
今でこそ悪質な態度の来場者には球団側が厳しい措置をとるが、当時はそこまででもなかったという。「ファンサービスはしていましたけど、それすらも嫌になった時期もありました」とは正直な胸中だ。それでも村田修一、内川聖一、吉村裕基らチームの中心選手が批判の“矢面”に立っていたことで「若かった僕は比較的、自分のことに専念できていました。村田さんたちがいて助かった面はあります」と語った。
ただロッカールームでは応援されないことを悲嘆している暇はなかった。「そんなことよりも、どうして勝てないんだろうというミーティングが多かったですね」。黒星が先行し続けたが、チーム全体は同じ方向を見て必死に戦っていた。(湯浅大 / Dai Yuasa)
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