目覚めた大器、鷹24歳が急進化したワケ 9勝&防御率1.95でリーグV貢献….325→.160の衝撃
Full-Count / 2024年10月19日 17時56分
■鷹の右腕スチュワートJr.は苦手だった左打者との成績を改善させた
ソフトバンクのカーター・スチュワート・ジュニア投手は2019年に19歳で加入。来日6年目の今季は20試合に先発し、規定投球回には達しなかったものの9勝4敗、防御率1.95をマークした。日本ハムとの「パーソル CS パファイナルステージ」第3戦で先発を任されて白星を挙げるなど、首脳陣の信頼も厚い。(数字はすべて2024年レギュラーシーズン終了時点)
好成績の要因の1つに挙げられるのが、左打者への投球だ。2021年は被打率.325と苦手にしていたが、今季は.160。被本塁打も245打席で1本のみだった。左打者への投球を球種別のデータで見ると、平均球速が150キロを超えるストレートを主体とするが、今季はその割合が前年から約5%減少。スプリットの割合が21.8%も上昇するなど、変化球の割合が増えていた。
対左への変化球は投球割合だけでなく、精度面にも変化が表れていた。昨季はスプリット、カーブ、カットボールのストライク率がいずれもリーグ平均を下回っていた。ストレートに頼らざるを得ない側面があったが、今季は変化球のストライク率を軒並み向上させた。特にスプリットは2ストライク時のボールゾーンスイング率が、前年の36.4%から62.3%に上昇した。
ストレートのコース別投球割合を見ると、苦手としていた左打者に対して、昨季までは真ん中から外角への投球が約7割以上を占めていた。今季は内角の割合が40.0%に増加。結果として左打者の内角に投じたストレートは被打率.149と効果を発揮していた。
昨季の0、1ストライク時の球種別ストライクゾーン被スイング率では、変化球が42.0%、ストレートは62.6%。相手打者に速球を狙われていたのは明らかだった。その中で今季は変化球の精度を改善させ、投球の幅を広げることに成功。ストレートの被打率も.170まで良化させた。24歳右腕は非凡な才能を開花させ、リーグ制覇を果たしたチームの主力に成長を遂げた。(「パ・リーグ インサイト」データスタジアム編集部)
(記事提供:パ・リーグ インサイト)
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