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例年公表球団も「言わない」 明言“自粛”が続出…宗山&金丸の2強、難航ドラフト戦略

Full-Count / 2024年10月24日 8時10分

明大・宗山塁【写真:加治屋友輝】

■例年公表の西武も「あえて今年は言わないようにしています」

「2024年 プロ野球ドラフト会議 supported by リポビタンD」は24日に行われる。今年は1位で入札する選手を前日までに公表した球団が、宗山塁内野手(明大)を指名する広島のみにとどまった。一昨年は12球団中9球団が事前に公表していただけに、今年は各球団が手の内を明かさず、虚々実々の駆け引きを繰り広げることになる。大学生に好素材が多いなか、突出した“2強”の存在が戦略に影響しているのだろうか。

 今季パ・リーグ最下位の西武はドラフト前日の23日、都内で編成会議を開いた後、これまでスポークスマン的な役割を果たしていた渡辺久信GM兼監督代行が今年限りで退任することから、広池浩司副本部長兼編成統括が報道陣の取材に対応した。「1位は決めましたが、公表はしません。理由は……しない方がいいと思ったからです」と多くを語らない。西武は過去、一昨年の蛭間拓哉外野手、昨年の武内夏暉投手など、1位を公表することも多かったが、今年は様相が違う。

 西武の場合、昨年のドラフト(支配下)で指名した7人中、6人が投手で占められていた。そして今季のチーム成績は、打率.212、350得点がいずれも12球団ワースト。普通に考えれば、野手中心のドラフトになりそうなものだが、広池氏は「戦略はありますが、あえて今年は、われわれとしては言わないようにしています。これは決意です」と唇を真一文字に結んだ。

 さらに、指名が重複した場合、誰がくじを引くのかについても「全く考えていません」。これに対し「くじを引く人を決めていないということは、“一本釣り”(単独入札)を想定しているということか?」と質問が飛んだが、答えは「ご想像にお任せします」と徹底していた。取材終了後、広池氏が「今年はガード固めで、すみません」と頭を下げたほどだった。

■中日井上新監督も「また悩んでしまった」と迷える胸中吐露

 一方、セ・リーグ最下位・中日の井上一樹新監督も「(1位指名選手を)公言するのか、しないのかを含めて話し合いましたが、最後にきて、また悩んでしまった」と迷える胸中を垣間見せた。

 誰を1位指名するか自体、決めきれていないようで、「(スカウト陣には)プレゼンみたいに、いいところだけを言うのではなく、クエスチョンの付くところやウイークポイントも持ってきてくださいと、あらかじめ注文を出してありました」と明かした上で、「ウチの球団にマッチするのか、(ウイークポイントを)どういう形で直せるのかを含めて、まだ時間があるので検討したい」と語った。

 事前に1位指名選手を明らかにする球団が少ないのは、宗山、金丸の2強をめぐる駆け引きがあるからなのか。手の内を明かさず、高い倍率が予想される両選手への指名を回避させたい意図も見え隠れする。

 また、ほぼノーマークの選手が、意外な上位指名を受ける可能性もある。“隠し球”を用意している球団はあるのか。事前情報が少ないだけに、当事者にとってもファンにとっても、ドキドキ、ワクワクのドラフトとなりそうだ。(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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