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平日練習は自主的で「9割言わない」 ドラフト上位も輩出…中学日本一の“育成力”

Full-Count / 2024年10月24日 17時55分

中学軟式日本一に輝いた愛知・東山クラブ【写真:チーム提供】

■オリックス・内藤、ソフトバンク・イヒネら輩出…中学軟式野球・東山クラブは“個を重視”

 個の力を高めることが、選手たちの未来を創る。今夏に行われた「第41回全日本少年軟式野球大会」で初優勝を飾った中学軟式野球、東山クラブ(愛知)の藤川豊秀監督が23日、野球育成技術向上プログラム「TURNING POINT」が実施するオンラインイベント「日本一の指導者サミット2024」に出演。名門チームが取り組む“自主性”の理由を明かしてくれた。

 東山クラブは実力はもちろん、高校野球以降のステージで活躍する選手を輩出するなど、育成力にも定評がある名門チームだ。出身OBには内藤鵬内野手(オリックス)、イヒネ・イツア内野手(ソフトバンク)ら、ドラフト上位指名のプロ野球選手もいる。

 チームが勝つ以上に大切にしているが、1人1人の能力向上だ。藤川監督は「個々の能力を上げないと高校、大学では通用しなくなる。このチームを卒業すれば、また違うチームでプレーする。個の力がないと試合に出られない」と語る。自主性を高めるため、月曜・木曜に行う平日練習のメニューも子どもたち自身が決めている。

 打撃マシンを打つ、ノックを受ける、バント練習に没頭するなど、選手たちは各々で、足りない部分を補うメニューを率先して行う。監督、コーチが“やらせる指導”でなく、選手が困った時や間違った方向に向かいそうな時に、的確なアドバイスを送るようにしている。


東山クラブの練習の様子【写真:チーム提供】

■OBのキャッチャーコーチ・緑川大陸氏「縛られる練習はなかった」

「基本的に僕らからこれをやれ、あれをやれは言わない。どうしても土日の練習は皆、同じ練習になり、やりたい練習ではなく、やらされる練習になってしまう。本人たちの課題を潰す場所が平日練習。個々のやりたい、伸ばしたい環境は大切だと思っています」

 ただ、子どもたちの自主性だけでは、何が正解か不正解は分からなくなるため、指導者が要所でチェックしている。選手たちも練習のなかで迷いが生まれると自然に監督のもとへ向かい、アドバイスを求めるという。

 この日、ゲストコメンテーターとして参加した、同チームOBのキャッチャーコーチ・緑川大陸氏も「縛られる練習はなかった。大学、社会人のような環境でした」と振り返る。藤川監督にとっても、緑川氏を含めてこれまで携わった教え子たちの存在は大きいといい、今でも日々、勉強の連続だという。

「年上、年下は関係ありません。いい意味でプライドを捨てないと監督はできない。間違っているものは間違っている。古いものは古い。そこを切り替えないといけない」と藤川監督。時代と共に理論、指導をアップデートし、高いレベルで通用する選手をこれからも育てていく。(First-Pitch編集部)

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