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大谷翔平を狙ったヤ軍 ド軍が憧れだったスタントン…両軍大砲の運命が交錯した7年前

Full-Count / 2024年10月30日 20時38分

ヤンキースのジャンカルロ・スタントン【写真:Getty Images】

■2017年オフにマーリンズからヤ軍へ移籍…ド軍も候補球団だった

 ヤンキースのジャンカルロ・スタントン外野手はポストシーズン13試合で打率.275、6本塁打14打点、OPS1.037をマーク。ドジャースとのワールドシリーズでも25日(日本時間26日)の第1戦で本塁打を放つなど、気を吐いている。ロサンゼルス出身の34歳は小さい頃からドジャースファンで、2017年オフにマーリンズからヤンキースに移籍した際は、ドジャースの可能性もあったという。ニューヨークの地元紙 「Newsday」が伝えている。

 スタントンは2017年にマーリンズで59本塁打&132打点を挙げて2冠王に輝いた。この年に球団はデレク・ジーター氏が共同オーナーに就任するなど体制一新。人件費削減を目指す中で、2014年オフに当時メジャー最高額の13年3億2500万ドル(約498億円)を結んでいたスタントンが“ターゲット”になった。

 スタントンの契約には完全なトレード拒否条項が含まれていたため本人の同意が必要だった。スタントンはヤンキース、ドジャース、アストロズ、カブスの4球団を承認していたという。当時のスタントンの考えをよく知る人物によると、少なくともヤンキースと同じくらいドジャースを好んでいたそうだ。

 ドジャースも興味を示していたと、別の関係者は語った。ただ、当時のドジャースはぜいたく税を下回ることを目指していたため、高額年俸がネックになった。ドジャースのスタン・カステンCEOは「「私たちは検討した」「しかし、私たちが(当時)どこへ向かっていたかを考えると、その契約はプラスにならないだろうし、うまくいくとも思えなかった」と今回の取材で述べたという。

■小さい頃は何度も本拠地で観戦…ドラフト時はド軍スカウトが“密着マーク”

 一方、ヤンキースは当初、大谷翔平投手の獲得を目指していた。しかし、当時は東海岸の球団に興味を示さなかったことからスタントンに方針転換。「マーリンズは再びGMのブライアン・キャッシュマンと接触し、トレードがすぐにまとまった」と記事は伝えている。

 スタントンはワールドシリーズ開幕直前に当時の心境を吐露。「起こり得たシナリオはたくさんある」「こうなっていたなら、ああなっていたなら、このミーティングでとか、あのミーティングの時にとか…最終的にはそうならなかったんだ」と語った。

 子どもの頃は家族とよくドジャースタジアムを訪れた。バリー・ボンズやケン・グリフィーJr.、マーク・マグワイアら当時のホームラン打者が試合に来たときは特によく観戦していたという。スタントンのお気に入りの思い出は「たぶん小さなこと」。早めに球場に到着して打撃練習を見たり、ほとんど空の球場でバットがボールに当たる音を聞いたりするようなことだったそうだ。

 ノートルダム高から2007年に17歳でマーリンズにドラフト2巡目指名されてプロ入り。ほぼすべての球団がマークしていた存在で、ドジャースもスカウトのジョージ・ジェノベーゼ氏(故人)が高校に足しげく通っていた。「(ジェノベーゼ氏は)いつも僕の打撃を見に来てくれて、(ドジャースがスタントンを指名することについて)話をしてた」とスタントン。「ドジャースが(僕を)指名しなかったらどれだけの大きな間違いになるか、指名してくれたらどれだけ一生懸命頑張るかを彼に話したよ」と懐かしんだ。

 スタントンのドジャースタジアムでの通算打率は.309、OPS1.086 。ロッキーズの本拠地で打者有利とされるクアーズ・フィールドに次いで良い数字だ。「このカリフォルニアの空気だね」と理由を語る。さらに「球場の周りにいて、いろいろと思い出さないのは難しい」「でも、すべてはビジネスだよ」とも述べた。子どもの頃からなじみのある球団との頂上決戦。第5戦以降はどんな打棒を見せるだろうか。(Full-Count編集部)

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