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43歳新監督が現役時代に残した超絶記録 現代野球の指標で傑出…圧倒の「7.57」

Full-Count / 2024年11月5日 13時10分

オリックス・岸田護新監督【写真:北野正樹】

■岸田護監督はオリ一筋14年間で433登板…44勝63セーブ&63ホールド

 オリックスは来季から岸田護監督が指揮を執る。現役時代は2006年から14年間オリックス一筋で通算433試合に登板。先発・中継ぎ・抑えと全ての役割で活躍し、44勝30敗63セーブ、63ホールド、防御率2.99をマークした。ここでは球歴や、キャリアを通じて残した各種指標を確認する。

 岸田監督は履正社高、東北福祉大を経て、NTT西日本から2005年大学生・社会人ドラフト3巡目でオリックスに入団。2年目の2007年に頭角を現し、39登板(11先発)で126イニングを消化し、防御率2.93をマークした。2008年は故障の影響で12登板にとどまったが、2009年は19登板で2度の完封を記録。初の2桁勝利となる10勝を挙げた。

 2010年には救援に再転向。6勝5敗11ホールド12セーブを記録した。2011年は自己最多の68登板、33セーブ。2012年は18セーブも、シーズン途中から平野佳寿投手と入れ替わりで中継ぎに回った。2013年は37登板で防御率2.12、奪三振率10.22、与四球率1.35、K/BB7.57と圧倒的な成績を残した。2014年は55試合、2015年は50試合に登板。2010年以降の6年間で5度シーズン50試合以上に登板した。

 キャリア平均の与四球率は1.78。抜群の制球力を誇った。1年目の2006年から10年連続で与四球率を2点台以下に抑え、与四球率1点台以下のシーズンも8度あった。持ち場を問わずに優れた制球力を発揮。主に先発を務めた2008年の与四球率が0.94、自己最多の139回1/3を投げた2009年の与四球率が1.29だった。

■2013年に指標K/BBで驚異の7.57をマーク

 キャリア通算の奪三振率は8.35。2年目の2007年から2015年までの9年間で、8点台以上の奪三振率を記録したシーズンが7度。2011年、2013年、2015年は奪三振数が投球回を上回った。奪三振を与四球で割って求める、投手としての能力や制球力を示す指標化「K/BB」は一般的に3.50を上回れば優秀とされているが、キャリア平均のK/BBは4.68だった。

 1年目の2006年から2015年までの10シーズンで、K/BBが3.50を下回ったのは1度だけ。唯一の例外である2014年のK/BBも3.35と、3.50をわずかに下回った数字だった。特に2013年は奪三振率10.22に対して与四球率が1.35。同年のK/BBは7.57と驚異的な成績だった。また、先発として活躍した2009年のK/BBは6.20。2024年の規定投球回到達者の中で最も高いK/BBを記録した日本ハム・加藤貴之投手の6.06を上回る数字だった。

 岸田監督の現役当時は、現在に比べて与四球率やK/BBといった指標が注目されていたとは言い難い状況だった。裏を返せば、当時から現代野球で重視される分野で優秀な成績を残していた43歳の新指揮官が、データによる分析が発展した現在においてどのような采配を振るのかには大いに注目が集まりそうだ。(「パ・リーグ インサイト」望月遼太)

(記事提供:パ・リーグ インサイト)

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